多少(読み)タショウ

デジタル大辞泉 「多少」の意味・読み・例文・類語

た‐しょう〔‐セウ〕【多少】

[名]
数量の多いことと少ないこと。多いか少ないかの程度。「多少にかかわらず、ご注文に応じます」
《「少」は助字》多いこと。たくさん。
「人の家に―の男子を生ぜるは此れを以て家の栄えとす」〈今昔・一・一九〉
[副]数量のあまり多くないさま。程度のあまり大きくないさま。いくらか。少し。「多少難点がある」「多少遅れるかもしれない」
[用法]多少・若干――「その意見に対しては多少(若干)疑問がある」「原案に多少(若干)手を加えた」など、数量・程度が少なく、はっきり示せない場合には、相通じて用いられる。◇「多少のばらつきがあってもかまわない」「朝晩は多少冷えるでしょう」「病状も多少落ち着いた」のように、大目に見たり全体からすればほんの少しという気持ちで言う場合は、「多少」のほうがふさわしい。「若干」は文語的で語感が硬い。「募集人数は若干名」「若干の問題を話し合う」などでは、「若干」だけが用いられる。
[類語]1多寡少ない幾らか幾分やや少し少しく少少ちょっとちょいとちとちっとちょっぴりいささか心持ち気持ち若干二三少数少量僅僅きんきんわずか数えるほどたったただたかだかしばらくなけなし低い手薄少なめ内輪軽少軽微微弱微微微少僅少きんしょう些少さしょう最少微量ちびちび一つまみ一握り一抹一息紙一重すずめの涙鼻の差残り少ないなにがし何等か大なり小なり多かれ少なかれちょこっとちょこんとちょっこりちょびちょびちょびっとちょぼちょぼちょろりちょんびりちょんぼりちらり爪のあか小口ささやか寸毫すんごうプチほのか幾ばくせいぜいたかが微塵みじん些細ささいまばらほんのあるかなきか一縷いちる心ばかりしるしばかり形ばかり

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精選版 日本国語大辞典 「多少」の意味・読み・例文・類語

た‐しょう‥セウ【多少】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 多いことと少ないこと。また、その多いか少ないかの程度。
    1. [初出の実例]「和尚この山に住してよりこのかた多少時也」(出典:正法眼蔵(1231‐53)行持上)
    2. 「勢の多少はいまだ見ず」(出典:太平記(14C後)二九)
    3. [その他の文献]〔老子‐六三章〕
  3. ( 「少」は助字 ) 多いこと。十分なこと。
    1. [初出の実例]「多少交情見一言、何関薄贈有微恩」(出典菅家文草(900頃)二・依言字重裴大使)
    2. [その他の文献]〔杜牧‐江南春詩〕
  4. 数量、程度の少ないさま。副詞的にも用いる。いくらか。ちょっと。若干。
    1. [初出の実例]「天与芳菲第一、艷陽多少莫空移」(出典:菅家文草(900頃)六・早春内宴侍清涼殿同賦春先梅柳知)
    2. 「よし多少文三に心を動かした如き形迹が有ばとて」(出典:浮雲(1887‐89)〈二葉亭四迷〉三)
    3. [その他の文献]〔南史‐蔡伝〕

おおかれ‐すくなかれおほかれ‥【多少】

  1. 〘 連語 〙 分量、程度の差はあっても皆一様に。多くても少なくても。多少とも。いずれにしろ。
    1. [初出の実例]「すれ違ふ人々が多かれ少かれ皆注目をした」(出典:都会の憂鬱(1923)〈佐藤春夫〉)

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普及版 字通 「多少」の読み・字形・画数・意味

【多少】たしよう(せう)

どれほど。多寡。唐・孟浩然〔春暁〕詩 春眠、曉を覺えず 處處に鳥を聞く 夜來風雨の聲 つること知んぬ(知らんや)多少ぞ

字通「多」の項目を見る

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デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「多少」の解説

多少 たしょう

?-? 江戸時代中期の俳人
江戸の人。馬場存義(ぞんぎ)(1702-82)の門人。姓は花隈。別号に新樹庵。

出典 講談社デジタル版 日本人名大辞典+Plusについて 情報 | 凡例

とっさの日本語便利帳 「多少」の解説

多少

日本では多かれ少なかれ、いくらか。中国ではどれだけ、どれほど。「多少銭?」は「おいくら?」。

出典 (株)朝日新聞出版発行「とっさの日本語便利帳」とっさの日本語便利帳について 情報

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