大和[町](読み)やまと

百科事典マイペディア 「大和[町]」の意味・わかりやすい解説

大和[町]【やまと】

岐阜県中西部,郡上(ぐじょう)郡の旧町。中央を長良川が南流し,町域のほぼ90%が山林中心集落は長良川と支流栗巣川の合流点付近の徳永製材・木工業などが盛ん。栗巣川の谷に13世紀以降330年続いた東(とう)氏の城館跡に庭園遺構(名勝)がある。長良川支流の小間見(こまみ)川はオオサンショウウオ生息地(天然記念物)。2004年3月郡上郡八幡町,白鳥町,高鷲村美並村,明宝村,和良村と合併し,郡上市となる。152.48km2。7382人(2003)。

大和[町]【やまと】

佐賀県中部,佐賀郡の旧町。佐賀平野北部脊振(せふり)山地南麓を占める。長崎自動車道が通じる。早くから開け,縄文・弥生文化遺跡が多く,肥前国国府国分寺も置かれた。平地米作山麓畑作が行われ,ミカン,カキも栽培。近年,都市化が進む。川上川上流に川上峡がある。2005年10月佐賀郡富士町,諸富町,神埼郡三瀬村と佐賀市へ編入。55.42km2。2万2582人(2003)。

大和[町]【やまと】

福岡県南部山門(やまと)郡の旧町。筑紫平野南部,矢部川三角州と有明海干拓地を占める。機械化の進んだ水田地帯で,施設園芸も盛ん。沿岸ではノリ養殖,貝類などの水産加工が行われる。西鉄天神大牟田線が通じる。2005年3月山門郡三橋町と柳川市へ編入。22.78km2。1万7463人(2003)。

大和[町]【だいわ】

広島県中部,賀茂郡の旧町。吉備(きび)高原中の椋梨(むくなし)川流域低地を中心とする。米作中心の農業を営み,乳牛飼育,モモ栽培も行われる。2005年3月豊田郡本郷町,御調郡久井町と三原市へ編入。121.76km2。7402人(2003)。

大和[町]【やまと】

新潟県南部,南魚沼郡の旧町。魚野川中流域を占める。農林業が主で,大崎菜,スイカを特産。上越線,上越新幹線が通じる。中心の浦佐はスキー場,普光寺毘沙門堂の裸押し祭で知られる。八海(はっかい)山の信仰登山の玄関口。2004年11月南魚沼郡六日町と合併し市制,南魚沼市となる。130.91km2。1万4726人(2003)。

大和[町]【やまと】

山口県南東部,熊毛郡の旧町。古くから開けた土地で,南東部の石城(いわき)山には列石遺跡の神籠石(こうごいし)がある。米作を主とする農村だが,光(ひかり)市の東に接し,周南工業地帯への通勤者も多い。2004年10月市へ編入。32.09km2。8310人(2003)。

大和[町]【たいわ】

宮城県中部,黒川郡の町。中心の吉岡町は奥州街道の宿場町および伊達(だて)政宗の三男宗清の築城以来城下町として発達。米作を中心とする。竹細工を特産。東北自動車道が通じる。東日本大震災で,町内において被害が発生。225.49km2。2万4894人(2010)。

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世界大百科事典 第2版 「大和[町]」の意味・わかりやすい解説

やまと【大和[町]】

岐阜県中央部,郡上(ぐじよう)郡の町。人口7097(1995)。長良川上流にあり,飛驒高地などの山林が町域の大部分を占める。中心集落は長良川と支流栗巣川の合流点付近の徳永で,長良川鉄道,国道156号線が通る。中世は山田荘に含まれ,1221年(承久3)下総国千葉氏の一族東(とう)氏が新補地頭に任命され,以後1559年(永禄2)遠藤氏に滅ぼされるまで東氏の支配下にあった。東氏は代々歌道の秘伝を伝え,室町時代には東常縁(とうのつねより)が居城の篠脇(ささわき)城で宗祇に古今伝受をしている。

やまと【大和[町]】

新潟県南東部,南魚沼郡の町。人口1万5882(1995)。東部には信仰の山として知られる越後三山があり,町の中央を魚野川が貫流している。中世には藪神(やぶかみ)荘に含まれ,南北朝時代の城跡もある。江戸時代には三国街道が通じ,中心集落浦佐は宿場として,また毘沙門堂(普光寺)の門前町として栄えた。魚野川東岸の大崎は八海山の登山口にあたり,大前(おおさき)神社は火渡祭でも知られる。水無川の扇状地八色原(やいろつぱら)では1965年から国営の開拓事業が始められ,78年完成,機械化農業が行われている。

やまと【大和[町]】

福岡県南西部,山門(やまと)郡の町。人口1万8134(1995)。筑紫平野南部に位置し,東西を矢部川と支流の塩塚川によって画され,南は有明海に面する。大部分が標高4m以下の低平で肥沃な土地からなり,クリークが縦横に通じる。水田が町域の80%を占め,1969年に完成した国営大和干拓地(330ha)では大型機械を導入して大規模な米作が行われている。裏作としてのレタス,イグサの生産も伸びている。有明海ではノリ養殖が盛んで,全国に出荷されている。

たいわ【大和[町]】

宮城県中部,黒川郡の町。人口2万2856(1995)。鳴瀬川の支流吉田川の流域を占める。西部は泉ヶ岳北東麓の山地・丘陵で,東部の吉田川中流域に平地が広がる。中心集落の吉岡は,仙台の北を守る要地として1616年(元和2)伊達政宗の三男宗時が城下町を開いたことに始まり,23年以降は奥州街道と羽後街道の分岐点の宿場町として発展,5・9の日の六斎市が開かれてにぎわった。米作を中心とする農業が主産業で,シイタケ,ナメコなど林産物の特産もある。

やまと【大和[町]】

山口県南東部,熊毛郡の町。1971年町制。人口8578(1995)。町の南部,田布施町との境に石城(いわき)山(350m)があり,町域のほとんどが山地と丘陵からなり,北西部を島田川の支流束荷(つかり)川と岩田川,南部を田布施川が流れる。古代から中世にかけては石清水(いわしみず)八幡宮領石田(いわた)保,最勝光院領美和荘,七条院領束荷荘などが置かれた地であった。米作を中心に野菜栽培,養鶏が行われ,イチゴの促成栽培も盛ん。

やまと【大和[町]】

佐賀県中東部,佐賀郡の町。佐賀市の北西に接する。人口2万1507(1995)。町域は南北に長く,北部は脊振山地の南斜面で,中央を川上川(嘉瀬川)が流れて南部に扇状地を形成する。久池井(くちい)付近は古代の肥前国府があった地といわれ,尼寺(にいじ)には国分寺跡,国分尼寺跡があり,国分,惣座(惣社)(そうざ)などの地名も残る。また久留間(くるま)の今山には県下最大の前方後円墳船塚古墳(全長114m)がある。

だいわ【大和[町]】

広島県中央部,賀茂郡の町。人口7826(1995)。世羅台地の西部を占め,沼田(ぬた)川支流の椋梨(むくなし)川と徳良川の流域で,川沿いに谷底平野が形成されている。米作,養豚,養鶏が盛んで,ブドウ,ナシ,モモの観光農園があり,特産にマツタケがある。臨済宗の古刹(こさつ)応海山棲真寺があり,鎌倉期の作とされる木造二十八部衆立像のうち13体を安置する。【清水 康厚】

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