精選版 日本国語大辞典 「大学寮」の意味・読み・例文・類語
だいがく‐りょう ‥レウ【大学寮】
おお‐つかさ おほ‥【大学寮】
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令(りょう)制官司の一つ。式部省(しきぶしょう)の被管(ひかん)。中央における官吏養成機関。起源は天智(てんじ)朝にさかのぼるが、制度・機構の整備は大宝(たいほう)令制定のとき。事務官は頭(かみ)、助(すけ)、允(じょう)、属(さかん)の四等(しとう)官とそれ以下の下級官吏(使部(しぶ))。教官は本科(明経道(みょうぎょうどう))に博士(はかせ)、助博士(養老(ようろう)令で助教)各1人、書道、算道に博士各2人、それぞれ学生(がくしょう)(400人)、書生(若干名)、算生(30人)を教育した。音(おん)博士は前述の諸生に漢音を教授したが、専門の音生(おんせい)はいなかった。奈良中期に本科から明法道(みょうぼうどう)、文章道(もんじょうどう)(紀伝道)の二道が分離独立し、平安以降、明経道、算道とあわせて四道(しどう)とよばれた。学生は5位以上の子孫、東西史部(やまとかわちのふひとべ)の子、ときに8位以上の子から採用したが、いずれも13~16歳で聡令(そうれい)な者に限られた。9年以内に卒業し国家試験に合格すると、コースと成績に応じて位階が授けられ、官途につくことができたが、その位階は概して蔭位(おんい)より低かったから、貴族の子弟で大学に学ぶ者はまれであった。しかし、6位以下の官人の子弟で大学に学び官僚、文人、学者として名をなした者は多い。
[黛 弘道]
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律令制による中央官吏養成のための高等教育機関。式部省の管轄で,明経・進士・明法の3本科と算道・書道の2付随学科があった。教官の博士・助教のほかに,頭・助・允・属の4等官事務職員がいた。明経科学生400人,算生30人,書生若干名を教育した。大学寮への入学は5位以上の貴人の子弟,漢字を伝えたとされる渡来帰化人からなる史部の子孫,6位以下8位以上の官人の子孫で請願し許可された者で,いずれも13歳以上16歳以下の「聡令」なものが入学を認められた。就業年限は一定しないが,在学9年を越えてはならないこと,歳試(年終試)に3度落第しないこと,無断欠席を年100日以上しないことなどが定められ,違反者は退学となった。授業料は無償,のちに成績優秀者には給費も行われた。所定の学業を了え応挙試(卒業試験)に及第すると,式部省が施行する国家試験を受けて在官することができた。しかし実際には,一部の中下級官吏を養成するにとどまったとされる。
著者: 谷本宗生
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[沿革]
博士をはじめとする学位制度の起源は中世ヨーロッパの大学にある。しかし,たとえば日本の博士学位の起源は,少なくともその名称からいえば,唐の制度にならった古代大学寮の博士(はかせ)制度にある。つまり学位制度は,ヨーロッパ系と,中国系とに二分される。…
…大学寮の公認寄宿施設。平安時代前期,有力貴族は子弟の教育を奨励するために,次々に大学寮に学ぶ学生の寄宿施設を設けたが,やがてそれが大学別曹となった。…
※「大学寮」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
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