大家(読み)タイカ

デジタル大辞泉 「大家」の意味・読み・例文・類語

たい‐か【大家】

大きな家。りっぱな家屋
ある分野で、特にすぐれた見識技能をもっている人。「日本画大家
たいけ(大家)」に同じ。
[類語]巨匠名匠権威第一人者泰斗たいと耆宿きしゅく大御所おおごしょオーソリティー達人名人名手妙手エキスパート巨星名工巧手腕利き腕扱き腕達者手足れ手利き有能敏腕辣腕得手特技専売特許上手得意売り物十八番おはこお家芸お株お手の物達者堪能巧者得手物器用多才うまたく巧妙潰しが利くくする腕が立つ怪腕凄腕プロ専門家スペシャリスト玄人くろうと本職ゼネラリストセミプロプロフェッショナルたくみ仕事師遣り手素人しろうと離れ玄人くろうとはだし神業かみわざベテランソムリエスキルドワーカーマイスタープロパー

たい‐け【大家】

金持ちの家。また、社会的地位身分の高い家柄。たいか。
[類語]大尽金持ち富豪金満家素封家成金財閥長者物持ち分限百万長者億万長者資産家財産家

おお‐や〔おほ‐〕【大家/大屋】

貸家の持ち主。家主。⇔店子たなこ
母屋おもや
本家ほんけ
[類語]家主やぬし家主いえぬしオーナー

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精選版 日本国語大辞典 「大家」の意味・読み・例文・類語

たい‐か【大家】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 大きな家屋。大屋(たいおく)
  3. 富んだ家。金持ち。また、貴い家柄。身分の高い家柄。たいけ。
    1. [初出の実例]「世の譏(そしり)をも知らず、侈(おごり)を究め欲を恣にせし大家の氏族」(出典:太平記(14C後)二一)
    2. 「妾をもとむるには、祿次第にて大家(タイカ)の方へと心ざす」(出典:評判記・色道大鏡(1678)一四)
    3. [その他の文献]〔書経‐梓材〕
  4. その道で特にすぐれた人。巨匠。
    1. [初出の実例]「高祖の辺域にいたらず、仏法の大家を覰見せざるによれり」(出典:正法眼蔵(1231‐53)春秋)
    2. 「千陰といふ下手よみは、当時日本一の大家じゃ」(出典:随筆・胆大小心録(1808)一一一)
  5. みんな。皆々。
    1. [初出の実例]「大家擁被堂中坐」(出典:空華日用工夫略集‐至徳二年(1385)一〇月一五日)
  6. しゅうとめの称。〔晉書‐列女伝
  7. 中国古代の女子の尊称。〔後漢書‐列女伝・曹世叔妻〕

おお‐やおほ‥【大家・大屋】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 大きな家。
    1. [初出の実例]「あれに見えさぶらふおほやにこそいまはさぶらふなれ」(出典:平家物語(13C前)一二)
  3. 一族の中心となる家。本家またはその村の一番もとになる家。分家、隠居に対していう。
  4. 家人が住居に用いる建物。物置、納屋などに対していう。母屋(おもや)。本家(ほんや)
    1. [初出の実例]「当社のふしんをおのおの出候て仕候処に、をう屋のふろのあとにて料足をほり出候」(出典:北野天満宮目代日記‐延徳二年(1490)四七紙背)
  5. 貸家の持ち主。または、その代理人。家主(いえぬし・やぬし)。差配人。⇔店子(たなこ)
    1. [初出の実例]「内々(ないない)大屋の女の勿体(もったい)に見あいた。此次手(ついで)に爰(ここ)を替ん」(出典:浮世草子西鶴織留(1694)四)

たい‐け【大家】

  1. 〘 名詞 〙 富んだ家。金持の家。また、貴い家柄。由緒ある家。社会的地位の高い家。また、その人。たいか。
    1. [初出の実例]「夜中に御大家(タイケ)御通り、どなたで御ざりますととへば」(出典:咄本・聞上手(1773)大名)

だい‐け【大家】

  1. 〘 名詞 〙 大きな家(日葡辞書(1603‐04))。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「大家」の意味・わかりやすい解説

大家
おおや

大屋とも書き、家守(やもり)、家主(やぬし)ともよばれた。江戸の貸地、貸家の管理人で、地主、家持(いえもち)にかわって地代、店賃(たなちん)などを取り立てた代理人、差配(さはい)人のこと。彼らの多くは、地主のもっている長屋の別棟か、地主所有の家屋を与えられ、地代、店賃の徴収のほか、五人組の構成員として公用や町用を行った。また「たなこ(店子)と言えば子も同然」といわれたように、借家人(店子)には、子に対する親のような責任と権利をもっていた。

[南 和男]

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改訂新版 世界大百科事典 「大家」の意味・わかりやすい解説

大家 (おおや)

家守(やもり)

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普及版 字通 「大家」の読み・字形・画数・意味

【大家】たいか

名家。

字通「大」の項目を見る

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とっさの日本語便利帳 「大家」の解説

大家

日本では貸家主であるおおやさん。中国ではその場にいる人みんなのこと、「みなさん」をいう。

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世界大百科事典(旧版)内の大家の言及

【裏店】より

…したがってこのような裏店が密集した地区の人口密度はかなり高かった。江戸の場合,地主が屋敷地内に住む(家持または居付地主と呼ばれた)ことは少なく,多くは家守(やもり)(大家,家主ともいう)が屋敷地内に住居を構え,地代・店賃徴収を代行し,また裏店住人の人別改め(戸籍調べ)や町触(法令)通達などを行い,棒手振(ぼてふり)などの小商人,大工・左官などの職人,そして日雇いなどと呼ばれた下層単純労働者など,裏店住人の事実上の支配者となっていた。長屋【玉井 哲雄】。…

【家守】より

…日本近世において,主人不在の家屋敷を預かり,その管理・維持に携わる管理人のこと。家主(やぬし∥いえぬし),屋代(やしろ),留守居(るすい),大家(おおや)などとも呼ばれた。日本の近世社会は,家屋敷の所持者である家持を本来の正規の構成員として成立していたが,なんらかの事由で家屋敷の主人が長期にわたって不在となる場合,不在中の主人に委嘱され,家屋敷の管理・維持にあたるのが,家守の基本的性格である。…

【朝鮮】より

…娘には分財しない。長男が後継ぎとなった家を〈大家〉(クンチプk’ǔn‐chip),そこから分かれた家を〈小家〉(チャグンチプchagǔn‐chip)と呼ぶ。 大小家関係が最も明らかに表れるのは,儒式にのっとって行われる祖先祭祀の面である。…

※「大家」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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