大芝居(読み)オオシバイ

デジタル大辞泉 「大芝居」の意味・読み・例文・類語

おお‐しばい〔おほしばゐ〕【大芝居】

規模の大がかりな芝居。また、名優が多く出演する芝居。
目的を遂げるために、運を天にまかせて行う、人目を欺くはかりごと。「大芝居を打つ」
江戸時代、幕府公許劇場江戸では、中村市村森田(のちに守田)の三座。→小芝居こしばい

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精選版 日本国語大辞典 「大芝居」の意味・読み・例文・類語

おお‐しばいおほしばゐ【大芝居】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 江戸幕府から公許のしるしとしての櫓(やぐら)を立てることを許された常設劇場。また、それらの大劇場での歌舞伎興行。大歌舞伎。⇔小芝居(こしばい)
    1. [初出の実例]「東の片屋に出る月影 大芝居三千丈の山の下」(出典:俳諧・西鶴大矢数(1681)第四〇)
  3. 設備の大仕掛けな舞台。有名な俳優ぞろいの演劇
    1. [初出の実例]「三日続の大芝居(オホシバヰ)は三十五銭だと云った」(出典:三四郎(1908)〈夏目漱石〉一二)
  4. ( 比喩的に ) 事実とは違う物事を本当のように見せるため、わざと堂々と、また、大じかけにする行為。
    1. [初出の実例]「君の留守に大芝居サ。八王子の方の豪家といふ触込(ふれこみ)で」(出典:家(1910‐11)〈島崎藤村〉上)

大芝居の補助注記

江戸時代の大芝居は、江戸で、中村、市村、森田(後に守田)の三座。京都では、四条大橋東詰の北の芝居、南の芝居。大坂では道頓堀の中の芝居、角の芝居であった。

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