大輔(読み)タイフ

デジタル大辞泉 「大輔」の意味・読み・例文・類語

たい‐ふ【大×輔/大副】

律令制で、八省および神祇官次官うち少輔少副の上に位する者。

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精選版 日本国語大辞典 「大輔」の意味・読み・例文・類語

たい‐ふ【大輔・大副】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 令制で、神祇官および八省の次官の上位の者。おおいすけ。
    1. (イ) ( 大副 ) 神祇官の次官。その下に少副がある。
      1. [初出の実例]「又召神祇官大副、太政官少弁、八省少輔以上〈略〉武官職事五位」(出典:続日本紀‐和銅元年(708)七月乙巳)
    2. (ロ) ( 大輔 ) 中務式部、治部、民部、兵部、刑部、大蔵、宮内の八省の次官。その下に少輔がある。〔令義解(718)〕
      1. [初出の実例]「少納言の、年へて四つの品になりぬれば、殿上もおりて司召にいとねぢけたるものの大輔など言はれぬれば」(出典:蜻蛉日記(974頃)上)
  3. 明治二年(一八六九)に設置された官職の名。いずれも勅任官
    1. (イ) 神祇官の次官の上位。長官神祇伯を補佐する。明治四年八月八日、神祇官とともに廃せられた。
    2. (ロ) 各省の次官の上位。長官の卿を補佐する。明治一九年二月二六日、廃せられた。

大輔の補助注記

「大輔」は「たゆう」とよみならわしているが、読みの確かな例以外は本項目におさめた。→たゆう


おおい‐すけおほい‥【大輔・大弐】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 令制の四等官の次官(すけ)のうちで上位のもの。大輔、大弐中将などの字をあてる。
    1. [初出の実例]「召参議之、其詞云、左のちかきまほりのつかさのかりのおほゐすけみなもとなあそむ 顕通朝臣同進給之」(出典:殿暦‐康和五年(1103)正月七日)
  3. おおみこともち(大宰)の大弐(おおいすけ)
    1. [初出の実例]「従四位下石川宮麻呂朝臣慶雲年中任大弐」(出典:万葉集(8C後)三・二四七・左注)

たゆうタイフ【大輔・大副】

  1. 〘 名詞 〙たいふ(大輔)〔文明本節用集(室町中)〕

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