天井(読み)テンジョウ(英語表記)ceiling

翻訳|ceiling

デジタル大辞泉 「天井」の意味・読み・例文・類語

てん‐じょう〔‐ジヤウ〕【天井】

屋根裏を隠し、また保温などのため、部屋の上部の板を張った部分。組み入れ天井ごう天井鏡天井などがある。
物の内部の一番高い所。
物価や相場の最高値。「相場が天井を打つ」⇔
成長や発展を阻むもの。「ガラスの天井

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「天井」の意味・読み・例文・類語

てん‐じょう‥ジャウ【天井】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 屋根裏をおおい隠し、塵よけ、保温のためなどに板を室内の上部に張ったもの。初めは天蓋として上から釣り、または柱を立てて上においたが、後には造りつけになった。
    1. [初出の実例]「彩色天井板花壱万拾壱区別〈方八寸〉」(出典:正倉院文書‐天平宝字三年(759)三月・大仏殿廂絵画師作物功銭帳)
    2. 「ろうのてん上には〈略〉高麗錦を張りたり」(出典:宇津保物語(970‐999頃)楼上上)
    3. [その他の文献]〔文選注‐張衡・西京賦〕
  3. 物の最も高いところ。特に物の内部の高い所についていう。
    1. [初出の実例]「懸けさせたる笈のあしに〈略〉てんじゃうには四尺五寸の大太刀をまよこさまにぞおきたりける」(出典:義経記(室町中か)七)
  4. からかさのてっぺんに当たる部分。
    1. [初出の実例]「天井(テンジャウ)ばかり青を、紅葉といひ、ぐるりの青きを軒青(のきあを)といふ」(出典:万金産業袋(1732)一)
  5. てんじょう(天上)
    1. [初出の実例]「恐ろしき物の天井(テンジャウ)は色なり」(出典:売卜先生糠俵後編(1778)下)
  6. 物価や相場などの最高値。〔大坂繁花風土記(1814)〕

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

改訂新版 世界大百科事典 「天井」の意味・わかりやすい解説

天井 (てんじょう)
ceiling

室内空間の上限を構成する面をいう。室内空間と小屋裏などの空間とを区画するために設けられる仕切り状のものが本来の天井であるが,屋根や床の下面がそのまま室内空間の上限になっているものも天井と呼ぶ。木造住宅では梁(はり)などの架構部材や垂木(たるき)などの屋根を構成する部材をそのままあらわして野地板を天井面とすることがあり,化粧屋根裏と呼ばれる。鉄筋コンクリート造の集合住宅ではコンクリート床版の裏面に直接仕上げを施して天井面とすることが多い。階高を低くおさえることができ建設費も安価になるが,照明用の電線などをコンクリートの中に埋め込まなくてはならない。

 仕切り状の独立した天井は,梁などの架構部材を隠し,空間構成のための意匠上の目的で設けられる。機能としては小屋裏からの防塵,遮熱,室内の保温,音の反射の調整,光の反射の調整などが求められる。現代の建築では配線,配管,ダクトなどの設備を隠す役割も大きい。むしろ設備のためのスペースとして天井ふところの空間を積極的に作り出しているということもできる。

 仕切り状の天井は一般的には上部の梁や床版からつり下げられた野縁(のぶち)と呼ばれる細長い材に面状の材料を打ち上げて構成され,吊(釣)天井と呼ばれる。野縁は木材で作る場合と軽量鉄骨材で作る場合とがある。木材の場合は450mm程度の間隔で平行に流すかもしくは格子状に組み,要所を吊木でつる。合板,セッコウボードなどのボード類を下から釘で打ち上げて下地とすることが多い。事務所建築などでは軽量鉄骨材が多く用いられ,断面形状にくふうのこらされた野縁をC型の野縁受けを介して直径9mm程度の吊りボルトでつる。セッコウボードを打ち上げることが多い。このような打上げ天井の仕上げとしてはクロスばり,塗装などが行われる。事務所建築などでは吸音テックス仕上げが用いられていたが,現在では不燃材料である岩綿吸音板が用いられる。形状をくふうした金属板が用いられることもある。安価な構法としては打上げ材に化粧セッコウボード化粧合板を用いる。和室の天井には打上げ天井ではなく,竿(棹)縁(さおぶち)と呼ばれる細い材を30~60cmの間隔で回り縁(まわりぶち)にかけ渡し,その上にそれと直角に天井板を張る竿縁天井が用いられるのが一般的であった。現在ではつき板仕上げなどを施した工場生産品のパネルが用いられることが多い。洋室の天井には野縁に木ずりを打ちつけたものを下地とし,プラスターモルタルなどの左官仕上げとする塗り天井が用いられ,くり型が施されることも多かった。現在はボード類の打上げ天井が主流となっている。空調などの設備が整った高層の事務所ビルでは,天井面に照明,空調吹出口,スプリンクラー,火災探知器などのさまざまな設備の端末機器が取り付けられる。これらの工事は複雑になるので,設備機器と天井板の配列を合理的に計画したシステム天井が用いられることが多い。Tバーと呼ばれる金属製の線材を平行につりその間に設備機器のパネルと岩綿吸音板をのせる構成が一般的である。

 伝統的な住宅に用いられていた竿縁天井は板を重ねて面を構成しており,隙間があるため冬季の暖房時には天井の密閉性が悪く熱損失が大きい。しかし,夏季には熱気が自然に天井裏に抜け換気が促進される。これに対し,洋室では天井に換気口を設けることが常識とされていた。現在では和室,洋室ともに密閉性の高い天井が用いられるようになっている。また暖房効率を高めるために天井上面に断熱材を敷き込むことが行われている。冬向きの天井になっているといえるが,夏季の換気にも気を配る必要があろう。

 天井の高さは部屋の用途,大きさにより適当な寸法が異なる。住宅では2.4m前後,事務室では2.6m前後,学校の教室では3mが用いられる。建築基準法施行令では居室の天井の高さは2.1m以上でなければならないと定められている。
執筆者:

仏教建築伝来以前の日本の建築の姿を伝える伊勢神宮には天井がなく,また住宅でも天井が張られるようになるのは平安時代中期以後で,仏教建築に伴って移入されたものであったらしい。京都御所紫宸殿清涼殿は江戸時代の再建ではあるが,復古的に作られたためやはり天井がない。天井を構造の面から分けると2種類ある。一つは〈組入(くみいれ)天井〉の類で,構造材を回り縁としてこの間に天井を張るため,下から見上げたときに構造材の一部が露出したものである。いわば構造材に支配された天井で,民家に見られる2階床をささえるための根太(ねだ)を露出させた〈根太天井〉も同系列に属する。もう一つは〈格(ごう)天井〉〈小組格天井〉〈棹縁天井〉の類で,これらは上の梁からつり下げられたいわゆる吊天井で,上部の構造材はすべて天井に隠されてしまって下からは見えない。上部構造とは基本的に無縁な天井である。これらとは別に,天井を張らずに垂木を見せる〈化粧屋根裏〉がある。本来,天井とはいえないものであったが,のちには構造材としての垂木とは別にみせかけの垂木を入れ,斜めの天井の形にするようになった。

 平安前期までの天井は組入天井か化粧屋根裏で,組入天井が正式であった。このため平安時代には天井を単に〈組入れ〉といっている。10cm角の細かい格子を組んだ天井である。格天井,小組格天井は平安末期から現れ,前者は1m角くらいに格縁(ごうぶち)と呼ばれる太い格子を組んだもの,後者は格縁の間にさらに小さい格子を組み入れたものである。棹縁という細長い棒を平行に渡し,その上に薄い板を羽重ねにならべたものを棹縁天井という。これは本格的な寺院建築には使われず,数寄屋風の住宅や一般住宅に多く使われる。棹縁の断面は正方形に近く,小さな面をとるのがふつうであるが,丈が高く左右に大きな角度で広い面(断面が猿のほおのような形のため,猿頰面(さるほおめん)という)をとった棹縁を使う〈猿頰天井〉も鎌倉時代に現れる。同じ鎌倉時代には禅宗建築が渡来し,そこでは〈鏡天井〉が用いられた。白木の天井板を平面にならべて張り,格縁などの装飾的な部材をいっさいもたない簡素な天井である。このほか天井が舟底のような形をした〈舟底天井〉があり,三千院本堂は名高い。

 天井にはその周囲に斜めの立ちあがりのあるものが多い。この部分を〈支輪(しりん)〉という。支輪は組入れ,格,小組格のいずれの天井にもつく場合があり,これのついたものを〈折上(おりあげ)〉と表現する。たとえば折上小組格天井などという。日本の建築は中央部の母屋(もや)とそれをとりかこむ(ひさし)によって構成されるのが正式で,組入天井の時代には天井もその構造に支配され,母屋には高く庇には低く張られる結果,両空間の間にはおのずから上下関係が存在した。しかし格天井などの吊天井は,上部の構造とは無関係に作ることができたから,母屋,庇を区別せず全面を同一高の天井にすることも,また必要に応じて空間を間仕切りし,それぞれの部屋にふさわしい天井を張ることも可能になった。ことに茶室では,その狭い空間に変化と広がりをもたせるくふうがなされ,たとえば待庵では,床前と炉の上を屋根葺用の薄板(ノネ板という)に白竹打上げの天井とし,躙口(にじりぐち)のすぐ上は,竹の垂木をみせた化粧屋根裏としている。このように吊天井の発達は内部空間の構成に変化をもたらす大きな力となった。
二階
執筆者:

古代エジプトの神殿などの記念的建築では,石の天井面に装飾画を施す例が見られ,古代から天井は室内意匠の重要な部位であったことが知られる。ギリシア建築の天井はあまりよく知られていないが,神殿の入口部分には大理石板を用いた格天井が使われていた。ローマ建築では,天然コンクリートを用いた巨大なボールトが用いられ,その表面は格天井のような浮彫で飾られていた。ポンペイの浴場に見られるように,こうした天井はきわめて豪華に装飾されていたと考えられる。初期キリスト教教会では,木造の屋根裏を装飾して天井とした。このような〈化粧屋根裏〉と呼ばれる天井は,中世を通じて多くの木造小屋組の教会や世俗建築に用いられ,屋根の小屋組もそうした視覚的効果を計算して華麗なものに発展していった。ハンマー・ビームはその典型である。一方,教会に石造ボールトの天井を架ける技術もロマネスク期以降完成していった。この石造ボールト天井は,その上に木造の屋根をもつのが一般的であり,したがってこれは屋根の軒裏ではなく,室内を完結させるための天井と考えるべきものである。石造ボールト天井は,ロマネスク期にはトンネル・ボールト(バレル・ボールト)が主であったが,ゴシック期に入るとリブ・ボールトが出現し,これは最終的にはきわめて装飾的なファン・ボールト(扇状ボールト)にまで細分化していく。

 中世の教会堂の天井は,木造であれ石造ボールトであれ,基本的に構造支持材そのものに装飾を施して仕上げるものであった。それに対して,小屋組あるいは屋根裏を,天井を張ることによって隠すタイプの天井がある。この種の天井は小屋組からつられて支持される。ルネサンス以降の世俗建築の天井の大半はこのタイプであった。吊天井は格天井の形式によるものと,プラスターの浮彫によって円あるいは楕円などのモティーフを作り出すもの,平滑な面に仕上げて絵画によって装飾するものなどが現れる。18世紀イギリスのロバート・アダムの手になるプラスター装飾の天井はその代表である。吊天井の形式は,天井の形態を構造支持材の形とは別個に決められるものであったので,ボールトも,木製の下地の上にプラスターを塗ることによって,吊天井で作られることが多くなっていった。最上階の部屋でない場合,上階の床の梁組みが天井に現れることになるが,これもやがて別に天井を張って隠すのが一般的になる。こうして天井は,室内意匠の面からその形が決定されるようになっていく。バロック期の天井には複雑に多角形を組み合わせた格天井,全面を天井画でおおった天井などが現れる。しかし,やがて天井はあまり変化のない,平面性の強いものが主流となっていき,無装飾に近いものとなっていく。
天井画 →ボールト
執筆者:


出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ) 「天井」の意味・わかりやすい解説

天井
てんじょう
ceiling

建築空間の上方を区画する部位。通常は小屋組みまたは上階の床(スラブslab)組みの裏から板状の構成物を吊(つ)り下げる形でつくるが、床裏そのものを天井とすることもある。木造建物においてはとくに天井をつくらず、屋根裏や軒裏を美麗に仕上げて天井にかえることがあり、それぞれ化粧屋根裏、化粧軒裏とよばれる。

 天井をとくに設ける利点は、(1)一般に化粧の困難な構造体や天井裏に通す配管、配線など目障りなものを視線から遮断する、(2)壁、床とともに外界からの熱、音、気流などをある程度遮断または吸収する、(3)音、熱、光の反射面とすることができる、(4)色、形、面などの組合せにより屋内意匠を整えられる、などである。天井を設けるには、構造体(小屋組み、床組みなど)から吊り木を下げ、これに天井野縁(のぶち)を吊り、その野縁に天井材料を取り付ける。吊り木、野縁は木造建物では木材を用いるが、鉄骨造や鉄筋コンクリート造では最近は軽量鉄骨によることが多い。

 天井面の仕上げには張り物による場合と塗り物による場合とがある。張り物としては杉、欅(けやき)、そのほか肌の美しい木板を使用するほか、化粧合板、各種ボード(石膏(せっこう)ボードなど)、金属板、石綿板などの乾式材も用いられる。乾式材には、表面に模様をつけ、あるいは孔(あな)をあけて吸音効果を図るなどのくふうを凝らしたものが多い。塗り物は左官工事によるもので、漆喰(しっくい)、各種プラスター(石膏、ドロマイトなど)、セメントモルタルがあり、まれに土天井も用いられる。乾式材による張り物と塗り物には、さらにペイント塗りやクロスまたは壁紙張りなどによる仕上げを行うことがある。

 天井の形状には竿縁(さおぶち)天井、平天井(竿縁を用いないもの)、舟底天井(切妻屋根を下面から見上げた形の天井)、格(ごう)天井(格子の上に天井板を置いた形)があり、さらに豪奢(ごうしゃ)なものとして折上げ格天井(壁と天井の取付け部分に支輪をつけたもの)、組入れ格天井(格子の中にさらに細かい格子を組み入れたもの)があり、書院造によく用いられる。漆喰天井では、同じ材料による繰形(くりがた)や天井中心飾で装飾することがあり、日本ではいわゆる明治建築に優れた作品がみられる。草庵(そうあん)茶室の天井は特異で、通常は三段に分かれ、躙口(にじりぐち)を入ったところの天井は勾配(こうばい)がつけられ掛込み天井、点前席(てまえせき)の上は蒲(がま)を張ることが多いので蒲天井とよばれ、床の間の前の天井は蒲天井より一段高くなり、ここには竿縁天井を用いるのが普通である。

 なお、床上面から天井下面までの高さを天井高といい、一般の居室では2.1メートル以上にすることが建築基準法に規定されている。

[山田幸一]


出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

家とインテリアの用語がわかる辞典 「天井」の解説

てんじょう【天井】

部屋の上部にあり、上階の床下や屋根裏と部屋を仕切る面。防塵(ぼうじん)・断熱・保温・防音などの役目を持つ。建築基準法で定められた居室の天井高は2.1m以上。和室では、もっとも一般的な竿縁(さおぶち)天井のほか、格(ごう)天井舟底(ふなぞこ)天井などがある。

出典 講談社家とインテリアの用語がわかる辞典について 情報

百科事典マイペディア 「天井」の意味・わかりやすい解説

天井【てんじょう】

床に対し部屋の上限界面をいう。化粧屋根裏,ドーム等屋根裏をそのまま利用するものもあるが,一般には小屋組を隠すため設けられるおおいをいい,熱・音・照明等の調整に役立つ。和風には,棹縁(さおぶち)天井格(ごう)天井,舟底を逆にした形の舟底天井,板の間を5〜10mm透かした目透し天井等があり,材料としては,ヒノキ,スギなどの薄板や竹,ヨシ等が用いられる。洋風ではモルタル塗,テックス等を多く使用。

出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「天井」の意味・わかりやすい解説

天井
てんじょう
ceiling

室内の上部に設けた面。ちり受けや小屋組み,床組みを隠すために設けるものであるが,現在では,照明,空調,放送機器などを取付ける機能も果している。仕上げにより,板や石膏ボード,合板などを用いた張上げ天井,モルタルなどの塗天井,吊天井がある。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

リフォーム用語集 「天井」の解説

天井

形態別に分類すると、平天井(ひらてんじょう)、折上(おりあげ)天井、船底(ふなぞこ)天井、掛込(かけこみ)天井、落(おち)天井、化粧屋根裏などがある。最も一般的な形態は平天井で、掛込天井・落天井は茶室などに用いられることが多い。

出典 リフォーム ホームプロリフォーム用語集について 情報

とっさの日本語便利帳 「天井」の解説

天井

屋根裏を覆い隠すように張られた板のこと。その語源は、火事を防ぐまじないとして井戸の形に作ったからという説や、囲炉裏の上部の屋根に当たる部分に井げたの棚が組んであったからという説などがあり、一定しない。

出典 (株)朝日新聞出版発行「とっさの日本語便利帳」とっさの日本語便利帳について 情報

世界大百科事典(旧版)内の天井の言及

【航空気象】より

…滑走路付近に煙や霧が流れてきたり降雨があれば透過率は低下しRVRは下がる。シーリングceiling雲量が10分の6以上になっている最低雲層の雲底高度または鉛直視程をいう。いくつかの雲層があるときは,下層から積算した雲層の天空をおおう量が,初めて10分の6に達した最低の雲層の飛行場からの高さである。…

【社寺建築構造】より

…社寺建築の大部分は一階であって,二階のあるものは門,鐘楼などを除けばごく少なく,三階以上は塔以外にはない(図1)。
【各部分の構造】
 社寺建築はまず基壇を築き,礎石をすえ,柱を立て,貫でこれをつなぎ,上に組物を置いて桁,梁を渡し,垂木(たるき)をかけ,屋根を葺き,いちおう雨のかからぬようにしてから,壁,窓,出入口をつくり,床,天井を張り,建具を入れ,装飾を施す。
[基壇]
 神社建築では古くは基壇を設けず,礎石もない掘立柱であったが,飛鳥時代に大陸の建築様式が伝来してからは,宮殿,仏寺などは基壇を設け,神社建築もこれにならうようになった。…

【住居】より

…身舎の西4間板張床の広い部屋で,中を屛風や几帳(きちよう)で適当に仕切って日常の生活を行った。座具としては置畳(おきだたみ)を敷き,寝所には,床を一段高くし,四本柱で天井を支えて四方に帳を垂らした帳台が使われていた。東三条殿は貴族住居では最大規模のものであるが,寝殿などの構成原理は他の貴族住居に共通していたものと考えられる。…

【書院造】より

…室内は畳を敷きつめ,上座は一段高く上段につくって下座と区別した。天井は上座を折上(おりあげ)小組格天井(ごうてんじよう)または格天井とし,下座の小組格天井または棹縁天井(猿頰(さるぼお)天井,平縁天井)と仕上げを別にした。壁は土壁の素肌を露出しないで張付壁に仕立て,小壁は古くは白土塗りとしたが,のちに張付壁に仕立てた。…

【茶室】より

…その四畳半は,書院から完全に脱皮した草庵の構造と意匠を示すにはいたっていなかったが,茶の湯の本質を建築的に表現しえていたことは確かである。伝書に記された紹鷗四畳半は,北向で上り口に簀の子縁(すのこえん)がつき,檜柱(ひのきばしら)で白の張付壁,天井はノネ板張りで高さ7尺1寸,間口1間に深さ2尺3寸の床を構えていた。そして小壁がいくらか高く,鴨居内法高(うちのりだか)を通常より低くしていた。…

【天井画】より

…天井に施された絵画をいう。ここで天井というのは,木造建築に多い平天井のほか,石材や煉瓦などを用いるボールト(穹窿),円蓋,半円蓋など,要するに建築空間の上部を覆う面をさす。…

【日本建築】より

… このような意匠の根本的な性格は,室内でも同様である。中国建築の室内は周囲の斜めに設けられた化粧屋根裏で,中央に向かって高まり,中央の水平の天井で,その高まってゆく空間を納めている。その空間構成は立体的なものであるが,日本ではこれと同様な手法をとり入れながらも,しだいに室内一面に水平な天井を張る方向に向かっている。…

【床】より

…この点は石張りの技法についてもいえるところで,材料の厚みや強度を無視すれば,西洋建築における床の仕上げは,壁の仕上げと基本的には共通するものである。西洋建築の室内空間は,床と壁という共通した技法による構成要素からなる箱に天井というふたをしたものであるか,あるいはプラスター仕上げの壁をもつ室内などのように,天井と壁が共通した技法による構成要素となり,そこに床という底をつけたものであるかの,いずれかとして考えられる。したがって,床の表現はもっぱら仕上げの方法を通じてなされ,日本建築におけるように,微妙な床の高低差が社会的序列を示すという傾向は比較的少ない。…

※「天井」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

今日のキーワード

タコノキ

タコノキ科の常緑高木。小笠原諸島に特産する。幹は直立して太い枝をまばらに斜上し,下部には多数の太い気根がある。葉は幹の頂上に密生し,長さ1〜2m,幅約7cmで,先は細くとがり,縁には鋭い鋸歯(きょし)...

タコノキの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android