天晴・遖(読み)あっぱれ

精選版 日本国語大辞典 「天晴・遖」の意味・読み・例文・類語

あっぱれ【天晴・遖】

(「あわれ(哀)」を促音化して、意味を強めたもの)
[1] 〘感動〙
感嘆悲哀、決意など強い感動を表わす。ああ。
平家(13C前)五「あっぱれ、この世の中は只今乱れ、君も臣もほろびうせんずるものを」
※天草本伊曾保(1593)驢馬獅子の事「Appare(アッパレ) シシワ ヲクビャウナ モノカナ!」
② ほめたたえる気持を表わす。ああ、みごとだ。すばらしい。でかした。体言の上に付いて、連体詞のように用いることがある。
※平家(13C前)九「あ(っ)ぱれ剛の者かな。是をこそ一人当千の兵ともいふべけれ」
読本・南総里見八犬伝(1814‐42)四「信乃は只管(ひたすら)感嘆して、〈略〉『遖候(アッハレ)犬飼生、志あるものは、誰もかくこそあるべけれ』」
[2] 〘形動〙 (「の」を伴っても用いる) 賞賛すべきさま。すばらしい。みごとだ。
※虎寛本狂言・八句連歌(室町末‐近世初)「天晴な御手跡で御座る」
※四座役者目録(1646‐53)上「天晴の器用と、褒めたると也」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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