精選版 日本国語大辞典 「天気」の意味・読み・例文・類語
てん‐き【天気】
て‐け【天気】
てん‐け【天気】
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報
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瞬時からせいぜい2、3日間の大気の状態をいうことば。この場合の大気の状態とは、人間が直接に体験することのできる大気のありさまである。
広義に天気といえば、雲の多少、雨や雪などの降水の有無と量、寒暖の程度、乾湿の度合い、風の強弱や風向き、気圧の高低などの各種気象要素を総合した状態のことになる。国内的・国際的に交換されている一定時刻についての地上気象電報には、これらの要素のほとんどすべてが含まれている。日々の天気予報では、風向き、風の強弱、雲の多少、雨や雪の有無と程度および出現確率、気温の高低などの予想が、ことばや数値によって述べられる。普通ただ単に天気といえば、雲の多少、雨や雪の有無などのいわゆる空模様をさしている。この狭義の意味での天気は、雲量、地面の状態、降水状態などによって決められる。NHKのラジオで放送される漁業気象(気象通報)の場合は、天気を21種類に分類したものが使用され、それぞれの記号も定められている。
国内および国際交換される地上気象電報の場合には、世界気象機関(WMO)の定めによって、雲のない状態から雷現象に至るまでを100通りに分類したものを「現在の天気」として使用することになっている。それら一つ一つに対応させた記号も定められており、天気図上に使用される。
[平塚和夫]
昔は日常生活が自然環境に左右されることが現在に比べ大きかった。それでその一要素である天気についても深い関心が寄せられたが、呪術(じゅじゅつ)的形態としては、(1)天気の様相に神意を読み取り(天気占い)、これに対処すること、(2)神の意志としての天気を変えたり(雨乞い(あまごい)、日和乞い(ひよりごい)など)、利用したりすることであった。(2)の場合としては、たとえば風鎮め、風封じ、風送りというようなことが現在に至るまで行われている。
鉄砲以前の弓矢の戦いの時代には、弓の射程を延ばすためには、風上をとることが戦いに勝つための条件であった。またこれと反対に狩猟に際して風上をとることは、獲物に臭気を吹き送るため、避けねばならぬことであった。このような点からも、天気の一要素としての風についての知識をもつことは生活上、非常にたいせつなことであった。
天気に関する古来からの経験は内外ともおびただしい数の天気俚諺(りげん)に集約されているが、これらのなかには現在の気象学の知識に照合して正しいものが少なくない。とくに漁民の場合はその生業が、悪天の場合、生命にかかわることにもなるので、質的にかなり程度の高い内容のものであったが、現在に至るまでそのまま伝承されているものは少ない。
たとえば昔の日本の港には日和山(ひよりやま)が近傍にある所が少なくないが(鳥羽(とば)、新潟など)、この山上に、漁民のなかでも観天望気に優れた者が登り、雲の運行などから天気の判断を下し、これを知らせることによって港への船の出入りを左右していたのである。漁民の知恵はたとえば釣りの秘伝書(たとえば津軽采女(つがるうねめ)の『河羨録(かせんろく)』)などに詳しく書き残されたものがあり、それは局地的な海上のことながら、天気の心得としては詳細を極めている。
農民の場合を漁民に比べると、おのずからその関心を寄せる天気の部分が違っているが、たとえば雷雨の多い地方の避雷心得など実理にあったものが少なくない(田村仁左衛門(にざえもん)吉茂『農業自得』)。また同時現象としての動植物の推移などに注目した自然暦的な知識は、現在の季節学(フェノロジーphenology)に照らしても正しいものが多い。
[根本順吉]
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