奈良(読み)ナラ

デジタル大辞泉 「奈良」の意味・読み・例文・類語

なら【奈良】[地名]

近畿地方中部の県。もとの大和やまとにあたる。人口140.0万(2010)。
奈良県北部の市。県庁所在地和銅3年(710)平城京が建設され、約75年間古代日本の首都として栄えた。のち、京都を北都というのに対して南都とよばれる。また、東大寺春日大社興福寺門前町として発達古社寺文化財、伝統行事が多い。奈良漬一刀彫などを特産。古くは「那羅」「平城」「寧楽」などとも書いた。人口36.7万(2010)。
[補説]平成5年(1993)に「法隆寺地域の仏教建造物」として法隆寺法起寺が、平成10年(1998)に「古都奈良の文化財」の名で東大寺興福寺春日大社春日山原始林元興寺薬師寺唐招提寺平城宮跡が世界遺産(文化遺産)に登録された。

なら【奈良】[姓氏]

姓氏の一。
[補説]「奈良」姓の人物
奈良利寿ならとしなが

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山川 日本史小辞典 改訂新版 「奈良」の解説

奈良
なら

奈良県北端に位置する。県庁所在地。地名は,「日本書紀」崇神紀の「草木をふみならす」によるとの説や,朝鮮語源説などがある。710年(和銅3)から74年間,平城京として栄えたのち衰えるが,旧外京の地には東大寺・興福寺などの門前町が形成され,中世以降,商業工業(筆墨など)・芸能が発達する。江戸時代は奈良奉行をおいて幕府直轄。明治期以降,奈良公園や平城宮跡の整備が進み,多くの文化財の存在とともに,一大観光地となった。1898年(明治31)市制施行。元興寺極楽坊以南の地域で「ならまち」づくりも行われ,西部に大住宅地域が発展。

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旺文社日本史事典 三訂版 「奈良」の解説

奈良
なら

奈良県最北部にある県庁所在地。710年から784年までの都
奈良時代には乃楽・寧楽・平城などと書いたが平安時代に奈良の字に固定。元明天皇の平城京造営に始まり,以後7代74年間首都として繁栄した。784年,山背国長岡京に遷都後,荒廃して田畑と化したが,のち東大寺・興福寺・春日神社の門前町として発達。中世には興福寺・東大寺の支配下にあって商工業が発達し,市がたち,興福寺一乗院・大乗院や東大寺・春日神社を本所とする多くの座が結成された。江戸時代には天領となり奈良奉行が置かれた。1898年市制施行。国際的観光都市として発展。

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