女性ホルモン(読み)じょせいホルモン

精選版 日本国語大辞典 「女性ホルモン」の意味・読み・例文・類語

じょせい‐ホルモン ヂョセイ‥【女性ホルモン】

〘名〙 (ホルモンはHormon) 性ホルモン一つ発情卵胞)ホルモンと黄体ホルモンがあり、主成分前者エストラジオール後者プロゲステロン。前者は女性の発情をうながし、女性性器を発育させてその機能を営ませる。後者は妊娠維持に必要。雌性ホルモン

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デジタル大辞泉 「女性ホルモン」の意味・読み・例文・類語

じょせい‐ホルモン〔ヂヨセイ‐〕【女性ホルモン】

雌性しせいホルモン

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四訂版 病院で受ける検査がわかる本 「女性ホルモン」の解説

女性ホルモン

基準値

 エストロゲン(尿検査)

 男性:2~20μg/日

 女性:卵胞期 3~20μg/日

    排卵期 10~60μg/日

    黄体期 8~50μg/日

    閉経期 10μg/日以下

 プロゲステロン(血液検査)

 男性:0.4ng/mℓ以下

 女性:卵胞期  0.1~1.5ng/mℓ

    黄体期  2.5~28.0ng/mℓ

    黄体中期 5.7~28.0ng/mℓ

    閉経期  0.2ng/mℓ以下

卵巣や黄体、胎盤の機能などをチェック

 エストロゲン、プロゲステロンともに卵巣から分泌される女性ホルモンです。

 エストロゲンは、女性の第二次性徴発現、生殖機能維持や卵胞の成熟排卵促進、子宮内膜増殖などの性周期の前半を維持する役割を果たしています。

 一方、プロゲステロンは、卵胞発育の抑制などの性周期後半の維持、子宮内膜の肥厚、妊娠持続作用などの役割を果たしています。

 これらのホルモンは、卵巣や黄体、胎盤の機能を調べるときに検査します。

検査値からの対策

 エストロゲンやプロゲステロンの値は、性差・個人差・年齢別変動・月経周期変動が極めて大きいため、これらを考慮して解釈しています。

 すなわち、1回の測定で診断を行うのでなく、日をかえて何回か測定し、その測定値を総合的に判定します。

疑われるおもな病気などは

◆エストロゲン

  高値→エストロゲン産生腫瘍、先天性副腎酵素欠損症

  低値→卵巣機能不全、黄体機能不全

◆プロゲステロン

  高値→排卵誘発剤使用

  低値→卵巣機能不全、黄体機能不全

医師が使う一般用語
「エストロゲン」「プロゲステロン」

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百科事典マイペディア 「女性ホルモン」の意味・わかりやすい解説

女性ホルモン【じょせいホルモン】

女性の一次並びに二次性徴を支配する性ホルモン。動物をも含める場合には雌性ホルモンという。脳下垂体前葉の生殖腺刺激ホルモンであるゴナドトロピンによって支配され,卵巣から分泌される。卵胞からはエストロゲン(卵胞ホルモン,発情ホルモン),黄体からはプロゲステロン(黄体ホルモン)が交互に分泌され,女性性器官の性周期の正常な運行に関与している(月経)。また,この二つの作用をもつ多くの合成ホルモンがあり,臨床的にも用いられている。
→関連項目性ホルモン前立腺癌ターナー症候群ホルモン補充療法

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世界大百科事典 第2版 「女性ホルモン」の意味・わかりやすい解説

じょせいホルモン【女性ホルモン female sex hormone】

女性における性ホルモンで,広く動物をも含めて一般的にいう場合には雌性ホルモンという。女性ホルモンにはエストロゲン(卵胞ホルモン)とプロゲステロン(黄体ホルモン)の2種類がある。女性特有のものである精子の受入れ,着床,妊娠の維持や分娩,授乳などを支配しているのは女性ホルモンであるが,また,このホルモンは女性の二次性徴の発達や維持のために重要な役割をはたしている。そのために,その不足,欠乏は諸種の機能障害や疾患をひき起こすので,これらの異常時の欠乏の補償や治療に女性ホルモンが用いられる。

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化学辞典 第2版 「女性ホルモン」の解説

女性ホルモン
ジョセイホルモン
female sex hormone

女性および雌性動物の生殖器官の機能調節,発育維持,第二次性徴の発現をつかさどるホルモン発情ホルモン(エストロゲン,卵胞ホルモン,濾胞ホルモンともいう)と黄体ホルモン(ゲスタゲン)に大別される.発情ホルモンは,卵巣濾胞,胎盤などから分泌され,黄体ホルモンと協力して性周期を起こさせる.黄体ホルモンは卵巣黄体および胎盤から分泌され,発情ホルモンと協力して性周期を起こし,妊娠を持続させる作用をもっている.

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「女性ホルモン」の意味・わかりやすい解説

女性ホルモン
じょせいホルモン
female hormone

女性の卵巣から分泌される2種のホルモン,卵胞ホルモン (エストロゲン) と黄体ホルモン (プロジェステロン) のこと。前者は卵胞でつくられ,雌性動物に発情させ,人間の場合は子宮内膜を増殖させ,頸管粘液量を増し,グリコーゲンを増して精子の頸管侵入を容易にし,2次性徴を発達させる。この卵胞ホルモンはまた下垂体に働いて,卵胞刺激ホルモンを制御し,黄体刺激ホルモンを分泌させ,排卵を促し,これが黄体となって後者の黄体ホルモンを分泌させる。黄体ホルモンは子宮内膜を分泌期に変え,受精卵の着床を助ける働きをもつ。

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毛髪用語集 「女性ホルモン」の解説

女性ホルモン

女性特有の体型や身体のリズムを司るホルモンのこと。卵巣内の卵胞から分泌される「エストロゲン(卵胞ホルモン)」と、黄体化ホルモンの刺激により卵巣の黄体から分泌される「プロゲステロン(黄体ホルモン)」がある。毛髪においては、髪を発達させ、毛髪の成長期を持続させる働きがある。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「女性ホルモン」の意味・わかりやすい解説

女性ホルモン
じょせいほるもん

性ホルモン

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栄養・生化学辞典 「女性ホルモン」の解説

女性ホルモン

 →エストロゲン

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世界大百科事典内の女性ホルモンの言及

【性】より

…そしてほとんどの男性化作用をとりしきるのは男性ホルモンであるといって過言ではない。これに対し,女性ホルモンは性分化にはほとんど意味をもたず,女性に分化したものを,より強調し,修飾する作用をもつにすぎない。
[性の連続性]
 男性ホルモンは解剖学的な性,生理学的な性,行動科学的な性を強力に方向づけ,規定していく。…

【性ホルモン】より

…発生初期には性腺の分化にも関係する。性ホルモンは雄性ホルモンまたは男性ホルモンと雌性ホルモンまたは女性ホルモンに二大別されるが,いずれもステロイドホルモンである。近年,生体内には存在しないが,性ホルモンと同じ作用をもつ合成物質がいくつも作り出されており,これらを含めた総称として性ホルモン物質sexogenという言葉が用いられる。…

※「女性ホルモン」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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