好き(読み)スキ

デジタル大辞泉 「好き」の意味・読み・例文・類語

すき【好き】

[名・形動]
心がひかれること。気に入ること。また、そのさま。「好きな人」「好きな道に進む」⇔嫌い
片寄ってそのことを好むさま。物好き。また、特に、好色色好み。「幹事を買って出るなんて、君も好きだねえ」「好き者」
自分の思うままに振る舞うこと。また、そのさま。「好きなだけ遊ぶ」「どうとも好きにしなさい」
すき(数寄)
[下接語]だい好き好き(ずき)遊び好き・男好き女好き客好き綺麗きれい好き子供好き酒好き好き好き世話好き出好き派手好き話好き人好き物好き横好きび好き
[類語](3勝手気ままわがまま自分勝手手前勝手身勝手得手勝手好き勝手気随気任せほしいまま奔放自在自由自在縦横縦横無尽意のまま思いのまま思い通りフリーフリーダムリバティー野放図わがまま横着自己本位好き放題恣意的しいてき利己的エゴイスチック気任せ自由尊大横柄傲然高慢傲慢驕慢倨傲大風おおふう高姿勢高飛車高圧的居丈高権柄尽く・偉そう・口幅ったい僭越越権不遜態度が大きい我が物顔空威張り野太い図太い太い豪胆厚かましい図図しいふてぶてしいおこがましいえげつないいけ図図しい猛猛しい虫がいい厚顔厚顔無恥鉄面皮破廉恥面の皮が厚い心臓が強い心臓に毛が生えている恥知らず傍若無人人を人とも思わない眼中人無し聞く耳を持たない横紙破りふんぞり返る自己中人も無げ

ずき【好き】

[語素]名詞の下に付いて、複合語をつくる。
あること、また、あるものが好きであることを表す。また、そのような人をもいう。「外出好きの人」「酒好き
それに好かれる性質をもっていることを表す。「人好きのする性質」「若者好きスタイル

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「好き」の意味・読み・例文・類語

すき【好・数奇・数寄】

  1. 〘 名詞 〙 ( 動詞「すく(好)」の連用形の名詞化 )
  2. ( 形動 ) 物事を愛好する心持。すきこのむこと。また、そのさま。
    1. [初出の実例]「ほうびをとらそふが、一ばんにおのしがすきはなんだ」(出典:咄本・座笑産(1773)好物)
    2. 「亭主のすきの赤ゑぼし」(出典:諺苑(1797))
    3. 「あなたは小説が好きですか」(出典:草枕(1906)〈夏目漱石〉九)
  3. 風流、風雅の道に深く心をよせること。風流の物好み。
    1. [初出の実例]「哥枕ども見んとて、すきに事寄せてあづまの方へ行きけり」(出典:無名抄(1211頃))
    2. 「蒔絵の舌を気高しと思ふ数奇(スキ)も有(も)たぬ」(出典:虞美人草(1907)〈夏目漱石〉三)
  4. 風流、風雅の道。和歌茶の湯など。
    1. [初出の実例]「只今のすきは、あぢきなくぞ侍る」(出典:宇津保物語(970‐999頃)蔵開上)
    2. 「Suqiuo(スキヲ) スル。〈訳〉茶の湯にはげむ」(出典:日葡辞書(1603‐04))
  5. ( 形動 ) 恋愛の情趣を好むこと。女色を好むこと。また、そのさま。色好み。
    1. [初出の実例]「さはれ、なをざりのすきにはありとも」(出典:源氏物語(1001‐14頃)宿木)
    2. 「いやに質味(じみ)な徳川翁も中々の好色(スキ)であった」(出典:黒潮(1902‐05)〈徳富蘆花〉一)
  6. ( 形動 ) 自分の思うままにふるまうこと。また、そのさま。好き勝手。
    1. [初出の実例]「よふ、すきな事をいひねんすのヲ」(出典:洒落本・南閨雑話(1773)鋪の体)
  7. ( 形動 ) 物好きなこと。また、そのさま。

好きの語誌

の場合には、「数奇」「数寄」と表記されることが多い。この表記は、「元和本下学集」に「数奇(スキ) 辟愛之義也」とあるように、愛着の程度が並でない状態を指していた。中世前期は、主に和歌についていったが、中世後期以降になると、茶の湯や華道について使用された。当て字と考えられる。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

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