好（読み）コウ

デジタル大辞泉

こう【好】［漢字項目］

［音］コウ（カウ）（呉）（漢）　［訓］このむ　すく　よい　よしみ
［学習漢字］4年
１ 愛する。このむ。「好悪こうお・好色／愛好」
２ 美しい。「好男子」
３ すぐれている。りっぱな。「好手・好投」
４ よい。このましい。「好運・好機・好況・好調・好適・好転・好評・好人物・好都合／絶好・良好」
５ よしみ。「好誼こうぎ／修好・友好」
６ このみ。趣味。「好尚／嗜好しこう・同好」
［名のり］すみ・たか・よし

こう〔カウ〕【好】

［接頭］名詞に付いて、よい、このましい、りっぱな、などの意を表す。「好人物」「好条件」「好成績」

出典　小学館

精選版 日本国語大辞典

このみ【好】

1. [ 1 ] 〘 名詞 〙 ( 動詞「このむ（好）」の連用形の名詞化 )
   1. ① 好むこと。好くこと。嗜好。
      1. [初出の実例]「この方の御このみにはもて離れ給はざりけり」(出典：源氏物語（1001‐14頃）夕顔)
   2. ② のぞみ。希望。注文。
      1. [初出の実例]「人のありさまをあまた見合はせむのこのみならねど」(出典：源氏物語（1001‐14頃）帚木)
   3. ③ 趣向。風流。数奇。
      1. [初出の実例]「取出したる一品は、昔蒔絵の織部形、好(コノ)みを尽せし三ツ組の、懐中盃下重ね」(出典：人情本・春色梅児誉美（1832‐33）四)
   4. ④ 歌舞伎で、大道具や衣装の趣向やしかけの細部を役者の注文によること。
      1. [初出の実例]「本舞台、三間の間、引抜きの障子屋体。中足にて好(コノ)みあり」(出典：歌舞伎・梅柳若葉加賀染（1819）大詰)
2. [ 2 ] 〘 造語要素 〙 ( 体言に付く。「…ごのみ」の形で用いる )
   1. ① そのものをもっぱら好む意を表わす。「色好み」
      1. [初出の実例]「これ、二なき使ごのみなり」(出典：宇津保物語（970‐999頃）内侍督)
   2. ② その者が好む趣向である意を表わす。「音羽屋好み」
   3. ③ そのものについて好悪などを選別する意を表わす。「場所好み」「人好み」など。

こうカウ【好】

1. [ 1 ] 〘 名詞 〙
   1. ① 親しい交わり。親睦。よしみ。
      1. [初出の実例]「勝兵の余威を以て来て好を求め数々西辺に寇せり」(出典：日本開化小史（1877‐82）〈田口卯吉〉二)
      2. [その他の文献]〔詩経‐衛風・木瓜〕
   2. ② このむこと。すくこと。愛すること。
      1. [初出の実例]「好(コウ)不好(ふこう)をほしいままにし、万事我意にまかせり」(出典：評判記・色道大鏡（1678）一五)
      2. [その他の文献]〔論衡‐累害〕
   3. ③ 仏語。仏のすぐれた身体について、大きな特徴を三十二あげて「相」というのに対して、副次的な特徴を「好」といって八十種を数える。合わせて「相好(そうごう)」といい、三十二相八十種好(しゅごう)をいう。
      1. [初出の実例]「相好間雑、以為_二観法_一」(出典：往生要集（984‐985）大文四)
      2. [その他の文献]〔大智度論‐二九〕
2. [ 2 ] 〘 接頭語 〙 名詞の上に付けて、「よい」「このましい」「立派な」の意を表わす。「好景気」「好人物」「好条件」など。
   1. [初出の実例]「往々事を做すに勤敏なる好性質あることなり」(出典：西国立志編（1870‐71）〈中村正直訳〉九)

ずき【好】

1. 〘 造語要素 〙 名詞に付いて、その物事を好むこと、または、それを好む人の意を表わす。「酒好き」「遊び好き」「物好き」など。「人好き」「男好き」のように他人が好感をもつことにもいう。
   1. [初出の実例]「茶ずきした者なり茶経三篇を作たぞ」(出典：玉塵抄（1563）四)
   2. 「動物の標本を見てより、急に虫好(ズ)きに成て」(出典：暑中休暇（1892）〈巖谷小波〉四)

よし‐び【好】

1. 〘 名詞 〙 ＝よしみ（好）
   1. [初出の実例]「以て兄王(こきし)の好(ヨシヒ)を脩むるなり」(出典：日本書紀（720）雄略五年七月（前田本訓）)

このま&GIE599;し【好】

1. 〘 形容詞シク活用 〙 ⇒このましい（好）

このも&GIE599;し【好】

1. 〘 形容詞シク活用 〙 ⇒このもしい（好）

出典　精選版 日本国語大辞典