妹山(読み)イモヤマ

デジタル大辞泉 「妹山」の意味・読み・例文・類語

いも‐やま【妹山】

一対の山を男女夫婦に見立てたときの、女性・妻にあたる山。→妹背山いもせやま

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「妹山」の意味・読み・例文・類語

いも‐やま【妹山】

  1. [ 1 ] 〘 名詞 〙 相対して並ぶ山のうち、女性、妻に見立てられた方の山。のちに山の名となる。⇔背山(せやま)
  2. [ 2 ]
    1. [ 一 ] ( 「いものやま」とも ) 「いもせやま(妹背山[ 一 ]」のうち、紀ノ川南岸の山。
    2. [ 二 ] 「いもせやま(妹背山[ 一 ]」のうち、吉野川の龍門側の山。
    3. [ 三 ] 「いもせやま(妹背山)[ 一 ]」のうち、女性に見立てられた方の山。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

日本歴史地名大系 「妹山」の解説

妹山
いもやま

[現在地名]かつらぎ町西渋田

西渋田にししぶたの西端にあり、紀ノ川に面し、対岸山がある。標高一二〇メートル余。南はきた(五八六・七メートル)に続く山地であるため、紀ノ川北岸からは独立した山容をなさない。古来、歌枕として多くの歌に詠まれた紀伊国妹背いもせ山のうちの妹山に比定される。「万葉集」巻七に、

<資料は省略されています>

などの歌があり、巻一三に載る長歌には「紀の国の浜に寄るとふ 鰒珠拾はむといひて 妹の山背の山越えて 行きし君(以下略)」と詠まれる。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

世界大百科事典(旧版)内の妹山の言及

【青野山】より

…標高908m。古く妹(いも)山の名がある。角セン安山岩からなる溶岩円頂丘で,周囲には円頂丘を含む数個の小火山がある。…

※「妹山」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

今日のキーワード

五節舞

日本の上代芸能の一つ。宮廷で舞われる女舞。大歌 (おおうた) の一つの五節歌曲を伴奏に舞われる。天武天皇が神女の歌舞をみて作ったと伝えられるが,元来は農耕に関係する田舞に発するといわれる。五節の意味は...

五節舞の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android