姦通(読み)カンツウ

デジタル大辞泉 「姦通」の意味・読み・例文・類語

かん‐つう【×姦通】

[名](スル)道徳や法にそむいた関係をもつこと。特に、既婚者が、配偶者以外の異性肉体関係をもつこと。不義密通
[類語]不倫密通私通姦淫野合乱交内通不義不貞浮気虫が付く

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世界大百科事典 第2版 「姦通」の意味・わかりやすい解説

かんつう【姦通 adultery】

一般的には,配偶者以外の者との性交渉をいう。厳格な性の抑制を特徴とする社会,例えばイスラム社会では,婚姻外の性交渉のすべてをこれに含めて禁止,制裁を科している。姦夫は石打ちの死刑,夫による姦婦殺害も合法である。古くはハンムラピ法典も死刑をもってのぞみ,キリスト教ユダヤ教もこれを禁じている。姦通を厳しく禁止,タブー視するのが一般的だが,非西欧社会では,姦通に厳しく対処する社会もある一方で,近親相姦を除いてこのような性交渉に寛容な社会が多い(オセアニア島々アフリカ,中央アジアの多数の社会)。

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百科事典マイペディア 「姦通」の意味・わかりやすい解説

姦通【かんつう】

配偶者ある者と配偶者以外の異性との合意の性的関係。刑法183条は,妻の姦通を,夫の告訴をまって本人と相手の男を処罰(2年以下の懲役)していたが,新憲法の男女平等の理念に反するので,両者不可罰の立場から1947年廃止された。民法上は,不貞な行為として裁判上の離婚原因となる(民法770条)。
→関連項目刑法貞操

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普及版 字通 「姦通」の読み・字形・画数・意味

【姦通】かんつう

密通する。

字通「姦」の項目を見る

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世界大百科事典内の姦通の言及

【妾】より

…旧中国における宗族秩序の上からは一夫一妻の原則にたつから,めかけは公的地位をもたず弱い立場にあったが,単なる秘密の囲い女ではなく,家族の成員たる身分を礼と律の上に制度づけられていた。めかけは夫を〈君〉と,正妻を〈女君〉と呼び,めかけも夫に貞操の義務を負い,これに反すれば姦通として処罰される。夫が死亡のときは妻と同様の喪に服し,意に反して夫の家から強制的に追い出すことは違法とされ,遺産の分与にも養老の観点から一代限り認められることがある。…

【妻敵討】より

…姦通をした姦夫を本夫が殺害すること。中世においては敵討,妻敵討と併称されて盛んに行われた。…

※「姦通」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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