しっ‐と【嫉妬】
〘名〙
自分よりすぐれたものをうらやんだりねたんだりする
気持。やきもち。ねたみ。また、自分の愛する者の心が他に向くのをうらみ憎むこと。
りんき。
※
往生要集(984‐985)大文一「慳貪・嫉妬者、堕
二餓鬼道
一」
※
咄本・私可多咄(1671)五「昔、
仏師の
つまに嫉妬
(シット)のふかき女房あり」 〔
詩経‐
周南・樛木序〕
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報
デジタル大辞泉
「嫉妬」の意味・読み・例文・類語
しっ‐と【嫉妬】
[名](スル)
1 自分よりすぐれている人をうらやみねたむこと。「他人の出世を嫉妬する」
2 自分の愛する者の愛情が、他の人に向けられるのを恨み憎むこと。やきもち。悋気。「夫の浮気相手に嫉妬する」
[補説]作品名別項。→嫉妬
[類語]羨ましい・ねたましい・焼き餅・ジェラシー・悋気・おか焼き・法界悋気・妬心・羨む・羨望・ねたむ・そねむ・やっかむ・焼く・焼ける
[補説]
2017年に実施した「あなたの言葉を辞書に載せよう。2017」キャンペーンでの「嫉妬」への投稿から選ばれた優秀作品。
◆人間を動かす大きな原動力。この世は妬み嫉みで出来ている。
harukoさん
◆相手を愛する反動。
りんままさん
◆独占欲を満たせないときに瞬時に生まれる、消しがたい感情。
ぐらんぱさん
◆SNSでの「いいね!」の裏の感情。
豆さん
◆幼稚で愚か、しかし切り捨てられない想い。
高野さん
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しっと【嫉妬 jealousy】
自分が所有したいと望むもの,または所有していると思うものを他人に奪われる際の苦痛の感情。所有欲ないし独占欲とそれが犯される危機感が条件だから,他人が自分より多くのものを持っていると感ずるだけでは,羨望は生じても嫉妬は生じない。人間にとって最も基本的な感情の一つで,2,3歳の幼児でも弟や妹が生まれて母親からかまってもらえなくなると,母の愛情を奪われたと感じて弟や妹を嫉妬し,敵意を向ける。これをカイン・コンプレクスといい,アベルをねたんで殺した旧約聖書のカインの故事に由来するが,さしずめカインは人類最初の嫉妬者だったことになる。
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普及版 字通
「嫉妬」の読み・字形・画数・意味
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嫉妬〔映画〕
1949年公開の日本映画。監督:吉村公三郎、脚本:新藤兼人、撮影:生方敏夫。出演:佐分利信、高峰三枝子、久慈行子、太田恭二、宇佐美淳、小宮令子、幾野道子ほか。
嫉妬〔曲名〕
チェコの作曲家レオシュ・ヤナーチェクの管弦楽曲(1894)。元々、オペラ『イェヌーファ』の序曲として構想された作品。
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世界大百科事典内の嫉妬の言及
【アンビバレンス】より
…たとえば,愛する人が死んだとき,われわれは自分を責めるものだが,それは他方ではその人を憎んでいて,その死を願っていたため,あたかも自分が殺したかのように感じるからである。嫉妬もアンビバレンスの表れである。もし愛しか存在していないなら,恋人が別の人に走っても,その幸福を願うはずだから。…
※「嫉妬」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
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