嬲る(読み)ナブル

デジタル大辞泉 「嬲る」の意味・読み・例文・類語

なぶ・る【×嬲る】

[動ラ五(四)]
弱い立場の者などを、おもしろ半分に苦しめたり、もてあそんだりする。「新入りを―・る」
からかってばかにする。愚弄する。「教師生徒に―・られる」
手でもてあそぶ。いじりまわす。「おもちゃを―・る」
[類語](1いじめるさいなむいびる虐げる切りさいなむ虐待迫害/(2からかう冷やかす茶化すおひゃらかすおちゃらかすふざける混ぜ返すおちょくるもてあそぶ玩具おもちゃにする野次る野次を飛ばす洒落しゃれのめす半畳を入れる茶茶を入れる揶揄やゆ玩弄

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精選版 日本国語大辞典 「嬲る」の意味・読み・例文・類語

なぶ・る【嬲】

  1. 〘 他動詞 ラ行五(四) 〙
  2. おもしろがってからかい、ひやかす。人をいじめ、おもちゃにする。相手の困惑を楽しんで思うままにする。嘲弄する。
    1. [初出の実例]「嬢猶否と辞(いな)ぶ。壮強(しひて)入り嬲(ナブル)。すなはち心に聴許(ゆる)し、壮と交はる〈国会図書館本訓釈 嬲 ナフル〉」(出典:日本霊異記(810‐824)中)
    2. 「アマタ ノ ウチノモノ ドモ、ザウニンバラ ニ イタル マデ、naburi(ナブリ) サイナミ」(出典:サントスの御作業の内抜書(1591)二)
  3. 手でもてあそぶ。いじりまわす。いじくる。
    1. [初出の実例]「冬月に寒して、咬ことなくは、少き針を以て腫をなぶりて血を毎日可出ぞ」(出典:史記抄(1477)一四)
    2. 「彼は〈略〉ともづなをなぶっていたが」(出典:試みの岸(1969‐72)〈小川国夫〉試みの岸)

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