子分(読み)コブン

デジタル大辞泉 「子分」の意味・読み・例文・類語

こ‐ぶん【子分】

ある人の支配下にあって服従する者。手下。「一の子分」⇔親分
仮に子として扱われている者。⇔親分
「これを―にして家を渡し」〈浮・永代蔵・五〉
[類語]部下手下配下手先目下ランニングドッグ

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精選版 日本国語大辞典 「子分」の意味・読み・例文・類語

こ‐ぶん【子分・乾児】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 実の子ではないが約束などによって子として扱われる者。子供分。義子養子。⇔親分
    1. [初出の実例]「いやしき者の娘には、取親とて小家持し町人を頼み、其子分(コブン)にして出すなり」(出典浮世草子・好色一代女(1686)一)
  3. 手下の者。親分に従う部下。配下。てか。てした。⇔親分
    1. [初出の実例]「何所でも喧嘩をなさったらば、八兵衛が子分だとおっしゃりませ」(出典:咄本・聞上手(1773)親分)
  4. 借金利子
    1. [初出の実例]「くらかたより三ケ一もとも子分もゆるすべし」(出典:結城氏新法度(1556))

こ‐わけ【子分】

  1. 〘 名詞 〙 牛馬所有主飼主とが、その牛馬の産んだ子を分配すること。立分(たてわけ)

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世界大百科事典(旧版)内の子分の言及

【親分・子分】より

…日本の古代社会では政治的,宗教的,社会的な意味で,ウジ()やウジ連合共通の祖霊としてまつられたミオヤには御祖と当て字されもした。近世,近代にわたる日本の社会で,オヤとコという民俗語の示す生活組織は実に多様であって,漢字でそれに当てた親子という関係と,その擬制としての親分・子分として解するだけでは,近世日本の儒教や近代日本の政治イデオロギーないし欧米理論中心主義の学界風潮に毒されない,より深い日本文化=社会の実証的研究は達成されない。この観点が,柳田国男や有賀喜左衛門の,創造性に富んだ学風による多大な研究成果を生んだ。…

【やくざ】より

…これらはいずれも稼業を異にするが,最近では,相互の境界がくずれて,一家や組の組織をもつ暴力団もやくざと総称されている。 一般にやくざの組織の中心的な絆(きずな)は,親分,子分,兄弟分の関係であり,とりわけ親分の支配に対する子分の絶対服従がその団体の団結の強さを示すものとされている。また何々一家と称する一家を基本単位としている。…

※「子分」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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