孝廉(読み)コウレン

デジタル大辞泉 「孝廉」の意味・読み・例文・類語

こう‐れん〔カウ‐〕【孝廉】

[名・形動]
孝行で欲が少なく、正直なこと。また、そのさま。
「―を察すれば濁る泥の如く」〈東海散士佳人之奇遇

㋐中国代に、朝廷が各郡に推挙させた人物徳目の一。また、その徴士名称
郷試合格者である、挙人の称。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「孝廉」の意味・読み・例文・類語

こう‐れんカウ‥【孝廉】

  1. 〘 名詞 〙
  2. ( 形動 ) 孝行で正直潔白なこと。また、そのさま。
    1. [初出の実例]「若道人意、楽外典者、茂士孝廉、随宜伝授」(出典:性霊集‐一〇(1079)招師章)
    2. 「又君に忠なるかぎりをつくし、父母に孝廉(カウレン)の聞えあり」(出典:読本・雨月物語(1776)貧福論)
  3. 中国、漢代に郡から朝廷に推挙される徳目の一つ。また、その徴士(ちょうし)の名称。のち、科挙の一科となった。〔制度通(1724)〕〔周礼注‐地官・郷大夫〕

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「孝廉」の意味・わかりやすい解説

孝廉
こうれん
Xiao-lian; Hsiao-lien

中国,前漢の武帝時代に定められた官吏登用科目。毎年郡国から孝であるもの (挙孝) ,廉であるもの (察廉) を推薦させるもので,宣帝のとき挙孝廉,察廉と改称された。後漢和帝のとき郡国の人口 10万人以下は3年に1人,20万人以下は2年に1人,20万人は年1人,以上累増して 120万人では年に6人と孝廉の人数が制限され,さらに順帝時代に孝廉は 40歳以上とし (のちに廃止) ,また課試の制が設けられた。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

普及版 字通 「孝廉」の読み・字形・画数・意味

【孝廉】こうれん

科挙の名。

字通「孝」の項目を見る

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報

今日のキーワード

メタン

化学式 CH4 。最も簡単なメタン系炭化水素で,天然ガスの主成分をなしている。また石炭ガスにも 25~30%含まれる。有機物の分解,たとえばセルロースの腐敗,発酵の際に生成され,沼気ともいわれる。また...

メタンの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android