ま‐ご【孫】
〘名〙 (「うまご(孫)」の変化したもの)
※
書紀(720)神代下(兼方本訓)「
皇孫(すめマコ)(〈別訓〉すめみま)」
② 間
(あいだ)を一つへだてること。また、そのような
関係をいう。「
孫弟子」「
孫引き」
※いつか
汽笛を鳴らして(1972)〈
畑山博〉六「小さな
部品を、これまでにも孫下請けに出したことはある」
③ 取引市場で
孫株をいう。〔取引所用語辞彙(1917)〕
※東京年中行事(1911)〈
若月紫蘭〉一月暦「羽子板には大さによって〈略〉孫
(マゴ)(一尺六寸)
尺八(
二尺より二尺五寸位迄)の
差別あり」
うま‐ご【孫】
① 子の子。まご。
※
霊異記(810‐824)中「隣に耆
(おきな)嫗
(おうな)有りて各鰥
(をのこやも)寡
(やもめ)に居りて、曾
(かつ)て
子息(ウマコ)无
(な)し〈国会図書館本訓釈 息 于万古〉」
※
源氏(1001‐14頃)
末摘花「翁の、いといみじき
ぞいで来たる。むすめにやむまごにや、はしたなる大きさの女の」
② 子孫。まごこ。
※宇津保(970‐999頃)俊蔭「又この山のぞう七人にあたる人を、
三代のむまごにうべし」
そん【孫】
〘名〙
① まご。うまご。
※平家正節(1776)小秘巻「
讚岐の守正盛が孫
(そン)刑部卿忠盛の
朝臣の嫡男也」 〔
爾雅‐釈親〕
② 子孫。
末孫。後裔
(こうえい)。後胤
(こういん)。
※太平記(14C後)一〇「桓武第五の皇子葛原親王に、三代の孫(ソン)平将軍貞盛より十三代」 〔幽明録‐劉晨・阮肇〕
※浄瑠璃・
三浦大助紅梅靮(1730)一「親に劣らぬ長命は、家のそんかと目出たけれ」
ひ‐こ【孫】
〘名〙 子の子。まご。うまご。〔二十巻本和名抄(934頃)〕
[語誌](1)コ(子)にヒを冠したものと考えられ、類例にヒヒコ(曾孫)などがあり、ヒは一代隔てた親族をあらわすと思われる。
(2)「観智院本名義抄」には「孫」字に「ムマコ 鄙語云ヒコ」とあって、平安時代末期ないし鎌倉時代、中央では一般的でなくなっていたようである。
(3)→「
ひこ(曾孫)」の語誌
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デジタル大辞泉
「孫」の意味・読み・例文・類語
うま‐ご【▽孫】
《「むまご」とも表記》
1 まご。
「翁の、いといみじきぞいで来たる。むすめにや―にや」〈源・末摘花〉
2 子孫。
「又、この山の族七人にあたる人を、三代の―に得べし」〈宇津保・俊蔭〉
そん【孫】
1 子孫。「当家五代の孫」
2 血筋。血統。
「姉は父御の―を継ぎ」〈浄・堀川波鼓〉
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まご【孫】
孫とは2世代下の子孫の総称であり,日本人はこれを内孫(うちまご)と外孫(そとまご)に区別している。内孫とは婿養子の場合を除いて一般に男の子どもたちの子をいい,外孫とは婚出した子どもたちの子をさす。嫁入婚を基礎とする典型的な3世代家族は祖父母から見れば内孫と同居し,外孫とは同居しない家族形態であるが,婿入婚を基礎とする場合には逆に内孫と別居し,外孫と長く同居する例がある。孫との同居という視点から日本の家族構造を見ると,孫との同居をともなう拡大型や直系型の家族,孫との同居を忌避する核心型家族に分けることができる。
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孫
日本のポピュラー音楽。歌と作曲は男性演歌歌手、大泉逸郎。1999年発売。作詞:荒木良治。第42回日本レコード大賞優秀作品賞、2000年、第14回日本ゴールドディスク大賞特別賞(演歌・歌謡曲部門)受賞。
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世界大百科事典内の孫の言及
【老人】より
…このように老人は青年,成人,壮年とは異なる社会的価値をもち,社会の重要な構成員のひとつであった。そしてこの老人はやがて死とともに,きたるべき社会を担う孫たちと交替して,それらの中に霊魂が再生する存在でもあった。【上野 和男】
[日本の老人]
現行の法律,老人福祉法,老人保険法においては65歳以上の男女をさすが,一般に〈年寄り〉として認識されているのは,この限りではない。…
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