精選版 日本国語大辞典 「宇治拾遺物語」の意味・読み・例文・類語
うじしゅういものがたり うぢシフヰものがたり【宇治拾遺物語】
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鎌倉初期の説話集。作者不詳。1221年ごろ成立か。序文によれば、書名は『宇治大納言(だいなごん)物語』の続編(拾遺編)の意とも、編著にかかわる侍従(唐名拾遺)という官職にちなむものともいわれている。道命阿闍梨(どうみょうあじゃり)と和泉式部(いずみしきぶ)との情事を伝える巻頭第1話に始まり、聖哲孔子が大盗賊にやりこめられるという末尾の第197話に至るまで、長短の説話が自在な連想のもとに書き継がれている。天皇、貴族から僧侶(そうりょ)、武士、盗賊に至るまでのあらゆる階層の人物が登場し、それぞれ、成功談、失敗談、あるいは奇妙な話、不思議な話、笑い話など、さまざまな内容の話が載せられている。また中国、インドなど異国を舞台とした話や、『こぶ取り爺(じじい)』『わらしべ長者』などの昔話に通じる民話風の話もみられ、他の説話集と比べて、素材や内容の面で広がりは著しく、そこには作者の人間や社会に対する自由で柔軟な思考や感覚といったものをうかがうことができる。「今は昔」「是(これ)も今は昔」といった穏やかな語り出しに始まり、全体に平易でわかりやすい和文脈の語り口で語られてはいるが、その内容には鋭い人間批評や風刺、皮肉がきいているものも少なくなく、味わい深い作品である。散逸した『宇治大納言物語』(成立不詳)の影響の下に成立したと考えられ、『古本説話集』(1131ころ成立か)、『古事談』(1215以前に成立か)、『世継(よつぎ)物語』(成立不詳)などとほぼ同文の類話を多く載せ、相互の密接な関係を推定することができるが、80余の共通話をもつ『今昔(こんじゃく)物語集』(成立不詳)とは直接の書承関係は認められない。
[浅見和彦]
『渡辺綱也・西尾光一校注『日本古典文学大系27 宇治拾遺物語』(1960・岩波書店)』▽『小林智昭校注・訳『日本古典文学全集28 宇治拾遺物語』(1973・小学館)』
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鎌倉初期の説話集。編著者未詳。2巻で,1659年(万治2)整板本以降,15冊本となる。雑纂。197話。成立は159段「後鳥羽院御時」の記述から,承久の乱(1221)後まもなくとされる。序文には散逸した「宇治大納言物語」の改訂増補とあるが,隣接話題との有機的な連関性や離れた話題相互の対話的関係性が指摘されるなど,緊密な編纂に独自の作品世界の形成が認められる。話題は内外貴賤聖俗にわたり多様。大半は「今昔物語集」などに同話がみられるが,明確な意味づけを示さずにさまざまな読みを引きだす仕掛けをもつ点が特徴。既成の価値観を相対化しながら笑いに解消する姿勢に,変動期の表現性がうかがえる。「新日本古典文学大系」所収。
出典 山川出版社「山川 日本史小辞典 改訂新版」山川 日本史小辞典 改訂新版について 情報
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出典 旺文社日本史事典 三訂版旺文社日本史事典 三訂版について 情報
…説話集冒頭に称徳天皇と道鏡の好色説話を置き,花山院と馬内侍,後冷泉院と源隆国にまつわる逸話など,天皇に関する好色秘話を含むことにもその一端が示されている。《宇治拾遺物語》の編纂資料となった。また,本書の強い影響のもとに《続古事談》が成立した。…
※「宇治拾遺物語」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
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