精選版 日本国語大辞典 「宇野浩二」の意味・読み・例文・類語
うの‐こうじ【宇野浩二】
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小説家。明治24年7月26日福岡市に生まれる。本名は格次郎。2歳のとき父が急死したため、一家は親戚(しんせき)を頼って転々としたが、8歳から青年時代まで、大阪市中央区宗右衛門町(そうえもんちょう)で過ごした。この町は大阪の繁華街道頓堀(どうとんぼり)に隣接した花柳の巷(ちまた)であったので、この少年時代の見聞や体験が後年の文学を決定する要素となった。天王寺(てんのうじ)中学を経て早稲田(わせだ)大学英文学科予科に入学。1913年(大正2)21歳で処女著作『清二郎 夢見る子』を刊行。宗右衛門町を舞台とした散文詩風の小品集である。その後下宿を転々としつつ極貧の生活に苦しむが、この間に「金と女」で成り立つ「世の中」の仕組みを体得し、したたかなリアリストに変身した。19年、饒舌(じょうぜつ)体とよばれたユーモラスな文体と奇抜な発想による『蔵の中』(1919)と『苦の世界』(1919~20)によって文壇的地位を確立。以後、『山恋ひ』(1922)に代表される浪漫(ろうまん)的な作品群を発表する一方、『子を貸し屋』(1923)のような人生の重い現実を描破した作品を書き継いだ。27年(昭和2)精神の変調をきたしたが、33年『枯木のある風景』によって再起、以後『子の来歴』(1933)を経て『うつりかはり』(1949)へと、冷厳な人生の実相を写し出す重厚な作風を完成していった。なお、児童文学、文芸評論の分野における足跡も忘れることはできない。昭和36年9月21日没。
[森本 穫]
『『宇野浩二全集』全12巻(1968~69・中央公論社)』▽『水上勉著『宇野浩二伝』上下(1971・中央公論社)』▽『渋川驍著『宇野浩二論』(1974・中央公論社)』
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1891.7.26~1961.9.21
大正・昭和期の小説家。本名格次郎。福岡県出身。1919年(大正8)「蔵の中」「苦の世界」を発表して認められた。ほかに「夢見る部屋」「山恋ひ」「子を貸し屋」などが初期の代表作で,饒舌で軽妙な話術とユーモアが高く評価された。27年(昭和2)精神に錯乱をきたし,以後数年間療養生活を送るが,33年「枯木のある風景」で文壇復帰。後期の代表作は「子の来歴」「器用貧乏」「思ひ川」。
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…その主流はロマンティックな未明童話を頂点とする物語性のゆたかなメルヘンで,子どもの現実生活をリアルに描いた作品は少なかった。代表的な作家には,秋田雨雀,芥川竜之介,有島武郎,宇野浩二,佐藤春夫,豊島与志雄たちがいる。 大正期には児童中心主義の児童観に応ずる童心文学の主張が支配的で,それが典型的に現れたのは北原白秋,西条八十,野口雨情に代表される童謡においてであるが,この近代的詩形が日本の伝承童謡の復興を詩の精神としたことは注目すべきである。…
※「宇野浩二」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
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