ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「守田勘弥(12世)」の意味・わかりやすい解説
守田勘弥(12世)
もりたかんや[じゅうにせい]
[没]1897.8.21.
歌舞伎の守田座座元 (劇場興行主) 。帳元 (劇場支配人) 中村翫左衛門の子で,守田家の養子となった。本名寿作。明治5 (1872) 年に,新制度となったとき,猿若町にあった守田座を新富町に移転し,新しい時代に即応した興行を始めた。 1875年に新富座と改称してから当時の一流俳優を出演させ,官憲,文人と結んで新しい制度を採用,新富座時代と呼ばれる黄金時代を築いた。しかし経営的には苦しく,多くの借財のため 83年には事実上この座の経営から身をひいた。古河新水という作者名で作品も書いた。
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