(読み)シュ

デジタル大辞泉 「守」の意味・読み・例文・類語

しゅ【守】[漢字項目]

[音]シュ(呉) (呉) [訓]まもる もり かみ
学習漢字]3年
〈シュ〉
まもる。まもり。「守旧守護守備看守固守攻守死守遵守鎮守ちんじゅ保守墨守
地方長官。「国守太守
〈ス〉まもる。「留守るす
〈もり〉「守役子守関守
[名のり]え・さね・ま・もれ
[難読]守宮やもり

もり【守(り)】

まもること。また、その人。「渡し守り」「灯台守り
子供のめんどうをみること。また、その人。子守。「赤子の守りをする」→御守おも
[類語]愛育育児子育て保育養育訓育育てる

しゅ【守】

国守」「守護」などの略。
律令制で、位署などの際、官が位よりも高いときに位階と官職の間に書き添える語。「従三位大納言」⇔ぎょう

こう〔かう〕【守/長官】

《「かみ」の音変化》律令制で、四等官のうちの最高位。「―の君」「―の殿との

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精選版 日本国語大辞典 「守」の意味・読み・例文・類語

もり【守】

  1. 〘 名詞 〙 ( 動詞「もる(守)」の連用形の名詞化 )
  2. 監視すること。監視しまもること。また、その人。番人。「島守」「野守」など、多く複合語として用いられる。〔日葡辞書(1603‐04)〕
    1. [初出の実例]「いいえね、そりゃ独身と云っても、やはりこの家に置いて位牌の守(モリ)をさせて貰ひます」(出典:欅の芽立(1936)〈橋本英吉〉八)
  3. 子どもの面倒をみること。子どもをまもり養育すること。また、その人。子守。守役。傅(かしずき)。〔名語記(1275)〕
    1. [初出の実例]「おれが骸(からだ)がきかねへから、守(モリ)が一つ出来ねへのに」(出典:滑稽本・浮世風呂(1809‐13)二)
  4. 和船帆柱の受座。船底に大栓をもって固着し、さらに盲居(めくらすえ)というせり木をもってかためる。中央に帆柱の元の凸部這座(はいのざ)をはめ込む凹所(守這座)を設ける。子持。合(ごう)。〔日葡辞書(1603‐04)〕

しゅ【守】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 令の官位相当制に関する用語。自分の任ぜられた官職の相当位が、自分の帯している位階より高い場合、位署などの際、位階と官職名の間に書き加えて、両者の関係を示した語。→ぎょう(行)
    1. [初出の実例]「而本位有高下者。若職事卑為行。高為守」(出典:令義解(718)選叙)
  3. こくしゅ(国守)」「しゅご(守護)」などの略。
    1. [初出の実例]「漢中の守になったぞ」(出典:史記抄(1477)一三)

こうかう【守・長官】

  1. 〘 名詞 〙 ( 「かみ(長官)」の変化した語 ) 令制で、四等級に分けたうちの最上位の官をいう。「こうの君」「こうの殿」などと熟して用いられる。〔改正増補和英語林集成(1886)〕

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普及版 字通 「守」の読み・字形・画数・意味


常用漢字 6画

[字音] シュ
[字訓] まもる

[説文解字]
[金文]

[字形] 会意
宀(べん)+寸。宀は屋。屋の中で、ことを執ることをいう。〔説文〕七下に「守官なり」とし、宀を寺府、寸を法度の意とするが、金文には(又)(ゆう)に従う形もあり、また干に従う字もあり、扞衛を主とする字である。のち官守のことをいい、また「道を守る」「拙を守る」のように、抱持・操守の意に用いる。

[訓義]
1. まもる、をまもる、とのもり。
2. ふせぐ、国を守る、領域を守る。
3. そなえる、もちこたえる、たもつ。
4. 心にたもつ、みさお。
5. おさめる、その状態を持続する。

[古辞書の訓]
名義抄〕守 マモル・ミル・モル・ヒサシ・カミ・ツカサドル/求守 ヨリツグ/國守 クニノマモリ 〔字鏡集〕守 カミ・ミル・モル・ツカサドル・マモル・モトム・ヒサシ・ヲサム

[声系]
〔説文〕に守声として狩を収めるが、狩の初文は獸(獣)、狩はその形声の字である。

[語系]
守・狩・獸sjiuは同声。手sjiuも同声で、ものを執り持つ意がある。

[熟語]
守一・守守衛・守気・守亀守義守宮・守旧守圉・守教・守業・守狗・守愚・守具・守訓・守欠・守犬・守兼・守古・守故・守護・守候・守・守宰・守死・守司・守志・守雌・守事・守持・守舎・守者・守株・守柔・守将・守障・守常・守心・守身・守神・守真・守成・守制・守精・守静・守拙・守節・守折・守戦・守銭・守選・守捉・守退・守中・守冢・守貞・守杜・守把・守吠・守藩・守備・守文・守分・守保・守法・守樸・守盟・守黙・守門・守夜・守令・守礼・守霊・守隷
[下接語]
恪守・官守・看守・監守・居守・拠守・禁守・謹守・郡守・堅守・厳守・固守・攻守・拘守・国守・死守・自守・戍守・順守・遵守・城守・職守・占守・操守・大守・太守・鎮守・天守・典守・屯守・備守・兵守・辺守・保守・奉守・法守・牧守・墨守・留守

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「守」の意味・わかりやすい解説


しゅ
shou

中国の地方行政長官。秦の時代に郡県制が成立すると,郡の長官を郡守と呼んだ。郡守は政務一般を担当し,軍事を司る都尉とともに郡治にあたった。秩禄は 2000石 (せき) で丞相などに次いで高く,その重要性を示している。次官に丞がいて郡守を補佐し,さらに属官にはそれぞれの担当官がいた。郡守や丞は皇帝が任命した。特に前漢中頃からは出身地回避の制 (→回避制度 ) が始ったが,属官は郡守が任命したから,在地の有力者が任用されることが多かった。前漢景帝の中元2 (前 148) 年以後太守と改名され,隋・唐時代に一時廃されたことがあったが,一応唐末まで存続した。しかし北魏の頃からは重要性が減じ,刺史がこれに代った。

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世界大百科事典(旧版)内のの言及

【国司】より

…こうして令制的な国司制は斉明朝ころには全国的に成立し,その国司の下で編戸,里制の整備,戸籍の作成,班田の実施などが着々と進められたが,大税の管理権など,その権限はまだ制限されていた面もあったようで,国司制が完成の域に達したのは,大宝律令の制定(701)によってであった。
[制度]
 表のごとく,全国約60の国は大・上・中・下の4等級に分けられ,国司はその等級によって定員を異にしたが,その官制は守(かみ)(長官),介(すけ)(次官),掾(じよう)(判官),目(さかん)(主典)の四等官と史生(ししよう)(書記)から成っていて,これらは中央官人が6年(のちに4年)の任期で赴任し,その下に多数の現地出身の属吏がいた。職員令の規定によると一般の国の守は,祠社,戸口,簿帳,百姓の字養,農桑の勧課,所部の糺察,貢挙,孝義,田宅,良賤,訴訟,租調,倉廩,徭役,兵士,器仗,鼓吹,郵駅,伝馬,烽候,城牧,公私の馬牛,闌遺の雑物および寺,僧尼の名籍のことをつかさどり,とくに陸奥,出羽,越後等の国はそのほかに饗給,征討,斥候をつかさどり,壱岐,対馬,日向,薩摩,大隅等の国は鎮捍,防守および蕃客,帰化を惣知し,また三関国(伊勢,美濃,越前)は関剗および関契のことをつかさどることになっている。…

【官位】より

…なお,官位令には,正三位の相当官末尾にみえる勲一等から,従八位下相当官末尾の勲十二等にいたる勲位が記載されているが,これは官位相当とは異質のものであり,それぞれの勲位が,官人序列のうえで,その位階に準じて末席に位置づけられることを示す比当(ひとう)関係にすぎない。そして官人が相当規定どおりに任命されない場合を想定して,大宝選任令,養老選叙令には,〈行(ぎよう)〉(位階が高いケース),〈守(しゆ)〉(官職が高いケース)をつける規定が立条されている。この官位相当規定は,すでに奈良時代前半から〈行〉の任命ケースが多い傾向がみえ,またその後,平安時代初期にかけて若干の相当規定の改訂がみられた。…

※「守」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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