完全(読み)カンゼン

デジタル大辞泉 「完全」の意味・読み・例文・類語

かん‐ぜん〔クワン‐〕【完全】

[名・形動](スル)
欠けたところや足りないところがまったくないこと。必要な条件がすべてそろっていること。また、そのさま。「完全を期す」「完全な形で保存する」「完全失敗だ」
欠点などのないようにすること。
「その人となりを―するに於て」〈中村訳・西国立志編
[類語](1完璧かんぺき万全十全両全満点金甌きんおう無欠完全無欠百パーセントパーフェクト全くまった文句なし間然かんぜんする所がない無傷水も漏らさぬ非の打ち所がない

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精選版 日本国語大辞典 「完全」の意味・読み・例文・類語

かん‐ぜんクヮン‥【完全】

  1. 〘 名詞 〙
  2. ( 形動ナリ・タリ ) 必要な条件、要素などがすべてそろっていること。不足や欠点が無いこと。また、そのさま。〔文明本節用集(室町中)〕
    1. [初出の実例]「句の完全(グヮンぜん)かけぬを云たぞ」(出典:玉塵抄(1563)四〇)
    2. 「完全たる芸術家として」(出典:草枕(1906)〈夏目漱石〉一二)
    3. 「俺の完全な敗けだ」(出典:冬の宿(1936)〈阿部知二〉二)
    4. [その他の文献]〔荀子‐議兵〕
  3. ( ━する ) 欠点、不足などの無いようにすること。
    1. [初出の実例]「その人と為(なり)を完全するに於て、細々ならず」(出典:西国立志編(1870‐71)〈中村正直訳〉一三)
    2. 「予は〈略〉穿井器(せんせいき)なるものを見たが、頗る完全(クヮンゼン)したもののやうに思った」(出典:銃後(1913)〈桜井忠温〉三〇)

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普及版 字通 「完全」の読み・字形・画数・意味

【完全】かん(くわん)ぜん

すべて欠けたところがない。唐・斉己〔行軍太傅の白氏東林集を得たるを賀す〕詩 百氏の典古典)、喪亂に隨ひ 一家の風、獨り完なり

字通「完」の項目を見る

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