(読み)シュウ

デジタル大辞泉 「宗」の意味・読み・例文・類語

しゅう【宗】[漢字項目]

[音]シュウ(慣) ソウ(漢) [訓]むね たっとぶ
学習漢字]6年
〈シュウ〉一派をなす教義。また、それを奉ずる団体。「宗教宗派改宗邪宗禅宗他宗八宗
〈ソウ〉
祖先を祭る所。「宗廟そうびょう
同族の中心。本家。「宗家宗族皇宗祖宗
中心としてたっとぶ。たっとばれる人。「宗主宗匠詩宗・儒宗・大宗
[名のり]かず・たかし・とき・とし・のり・ひろ・もと

そう【宗】

根本とするもの。おおもと。
「好んで超邁ちょうまいを―として」〈漱石吾輩は猫である
祖先のうちで有徳の人。

しゅう【宗】

教説の中心となる根本的な趣旨宗旨
ある教義を奉じている信者一団。宗門。宗派。
仏教論理学である因明いんみょうで、命題主張

そう【宗】[漢字項目]

しゅう

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精選版 日本国語大辞典 「宗」の意味・読み・例文・類語

そう【宗】

  1. 〘 名詞 〙
  2. おおもと。物事の根本。また、むねとして尊びあがめるところ。むね。
    1. [初出の実例]「無量国之所帰湊。有情界之所仰叢。惟尊。惟長。以都。以宗」(出典:三教指帰(797頃)下)
    2. 「氏は基督を宗(ソウ)とせる宗教を非とするに非ずや」(出典:彼我相違の点を明かにす(1902)〈植村正久〉)
    3. [その他の文献]〔史記‐伯夷伝〕
  3. 祖についで有徳の人。祖先中の有徳者。
    1. [初出の実例]「その過失を正すは、誰を祖とし誰を宗とするに及ばず」(出典:国歌八論(1742)正過論)
    2. [その他の文献]〔礼記‐祭法〕
  4. 宗主権のある国家。
  5. いえもと。本家。おさ。かしら。

しゅう【宗】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 仏語。経論など、その教説の中心となる教義、宗要、宗旨などの意。
    1. [初出の実例]「坐禅を宗とする婆羅門となづけき」(出典:正法眼蔵(1231‐53)弁道話)
  3. 一寺に、それぞれの経典、教義などの研究、信仰のためにあつまっている別箇の僧たちのあつまり。
  4. ある教義を奉じている僧俗の一団。八宗、十宗などといわれるもの。宗門。
    1. [初出の実例]「亦、国々にも此の宗を学て、天台宗于今盛り也となむ語り伝へたるとや」(出典:今昔物語集(1120頃か)一一)
  5. 因明(いんみょう)でいう、宗・因・喩・合・結の、その一つ。論証しようとするその命題のこと。

むね【宗・旨】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 主とすること。中心とすること。また、そのもの。
    1. [初出の実例]「いつとものふみよむひとはたにやうにこれを无禰(ムネ)とてともにのりとる〈惟宗具範〉」(出典:日本紀竟宴和歌‐延喜六年(906))
  3. 江戸時代遊女最高位大夫につぐもの。天神。梅。
    1. [初出の実例]「天神は太夫より少し劣れり。〈略〉唐韻に天職、俗語に中位とも、宗(ムネ)ともむら共、格子ともいふ」(出典:浮世草子御前義経記(1700)一)

そう【宗】

  1. 姓氏の一つ。

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