かん‐い クヮンヰ【官位】
〘名〙
※
続日本紀‐大宝元年(701)七月壬辰「准
二其官位
一賜
二食封
一」
つかさ‐くらい ‥くらゐ【官位】
※
古今(905‐914)
仮名序「いま、このことをいふに、つかさくらゐ、たかき人をば、たやすきやうなればいれず」
※宇津保(970‐999頃)俊蔭「つかさくらいも辞して」
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デジタル大辞泉
「官位」の意味・読み・例文・類語
つかさ‐くらい〔‐くらゐ〕【▽官位】
官職と位階。かんい。
「罪なくて罪に当たり、―を取られ」〈源・明石〉
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官位
かんい
律令制下の官職と位階の総称。律令制が施行されると,中央には2官8省を中心とする官職が,地方には国司などの地方官がおかれ,これを官といった。ただし,郡司は含まれない。官には中央政府を構成する官職の内官があり,内官には太政官,神祇官の2官があった。太政官には,中務,式部,治部,民部,兵部,刑部,大蔵,宮内の8省があり,省の下に職 (しき) ,寮,司があり,このほかに坊,署,台,府,使などがあった。これに対し,国司などの地方官を外官といった。これらの官司には,長官 (かみ) ,次官 (すけ) ,判官 (じょう) ,主典 (さかん) の四等官があり,これらの官司を正官といい,その官吏の定数は 8300といわれている。このほかに員外官 (のちには権官) があり,また,早くも奈良時代には中納言,参議が,平安時代には蔵人所,検非違使などの令外官 (りょうげのかん) がおかれた。前者は上奏を取次ぎ,天皇の命令を伝える文書を取扱い,太政官に取って代るようになり,後者は京都の治安に任じ,権限が拡大され,弾正台,衛府,刑部省,京職などの司法警察権を掌握するようになった。一方,位階の制度は,古く推古朝の冠位十二階の制定以来,冠を授けて位階の上下を表わした冠位制度が,律令制がしかれてから親王は一品から四品まで,臣下は一位から初位までに改められ,冠に代って位記が授けられた。また,五位以下には内位と外位があり,外位は主として地方の豪族に与えられた。これら大臣以下官司の主典以上の官職には,それぞれに相当する位階が定められていた。なお,官位を記すときに,官がそれに相当する位より低いときは「行」,この逆の場合は「守」と記した。また,位階だけあって官職のないものも現れ,これを特に「散位 (さんに) 」と記し,三位 (さんみ) と区別した。
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官位
かんい
官職と位階。令(りょう)制では、位階に相当する官職を定め、これに拠(よ)って官吏を任命するのを原則とした。
[編集部]
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かんい【官位】
官職と位階をいう。
[官位相当制]
律令官人制機構では,位階による官人の序列と,機構の中での官職の位置との対応関係があり,これを官位相当制という。一定の段階まで発展した官人制機構では,その円滑な運営のために,この規定が必須になる。現存する養老令の官位令はその規定である。日本の位階制は603年(推古11)の冠位十二階で創始されたが,これにも一応,漠然とした対応関係がみられたと推測することも可能である。しかし,それは厳密な官位相当制ではありえない。
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官位【かんい】
律令制下における官職と位階の総称。令制では官位相当制といって位階に相当する官職が規定されていた。しかし実際の位より高い官職につく場合もあり,これを守(しゅ)といい,低い場合は行(こう)といった。また官には定員がある関係で,位のみあり官がないものは散位といった。→位階勲等
→関連項目天皇
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普及版 字通
「官位」の読み・字形・画数・意味
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世界大百科事典内の官位の言及
【家格】より
…しかし,そのような地域的区分が,はたして中世以来のものであるか否かについては,まだなんらの確証も得られていない。【鈴木 国弘】
[近世]
戦国時代に下剋上などの社会的な大変動で家格の観念も大きく変わったが,有力諸大名は朝廷に献金して官位を受けたり,将軍の諱(いみな)の1字を与えられたりして,その権力を誇示するのに利用した。江戸幕府が成立すると,1606年(慶長11)武家の官位は将軍の推挙によることとし,11年には武家の官位は員数外としたので,律令の定数とは関係なく自由に奏請することができるようになった。…
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