官職（読み）カンショク

デジタル大辞泉

かん‐しょく〔クワン‐〕【官職】

１ 官と職。官は職務の一般的種類、職は担当すべき職務の具体的範囲を示す呼び方。
２ 国の機関において、公務員が具体的な職務と責任をもって占める地位。「官職を得る」
[類語]公職・官途・特別職・一般職・総合職・専門職

出典　小学館

精選版 日本国語大辞典

かん‐しょくクヮン‥【官職】

1. 〘 名詞 〙
2. ① 官（職務の一般的な種類）と職（職務の具体的な範囲）。
   1. [初出の実例]「身沈_二重病_一、無_レ期_二平復_一、因辞_二退官職_一」(出典：権記‐長保二年（1000）五月一四日)
3. ② 官制上の地位。官制によって定められた具体的な職務を分担する地位。官銜(かんがん)。
   1. [初出の実例]「辞_二官職_一」(出典：御堂関白記‐寛仁元年（1017）一一月二七日)
   2. [その他の文献]〔漢書‐孔光伝〕
4. ③ 官吏が国家から委任された一定範囲の事務。〔周礼‐天官・大宰〕

出典　精選版 日本国語大辞典

日本大百科全書(ニッポニカ)

官職
かんしょく

第二次世界大戦前の官吏制度においては、官と職を区別し、官吏の担任すべき職務を官職といい、官吏の身分を与えることを任官、具体的に担任すべき職務を指定することを補職と称した。第二次世界大戦後、国家公務員法によりこの官と職の区別が消滅し、官職とは一般職公務員に属する職であり、その内容は1人の公務員に割り当てられる職務と責任となった。職務の種類、職務の複雑さと責任の度合いに応じて分類される。こうした官職の概念は、任用、給与など、人事管理を行ううえでの基礎的概念といえる。

［平田和一］

[参照項目] | 国家公務員法

出典　小学館　日本大百科全書(ニッポニカ)

普及版 字通

【官職】かん（くわん）しよく

職務。官位。〔史記、平準書〕雜にして多端なれば、則ち官廢(かうはい)す。

字通「官」の項目を見る。

出典　平凡社「普及版 字通」

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

官職
かんしょく

国家公務員に割り当てられる職。その職員の占める地位に対する職務と責任を内容とする (国家公務員の職階制に関する法律) 。国家公務員法では職階制を前提にして官職ということばを使っている。職階制に基づいて分類される官職を分類官職といい，職階制の適用のない検察官や非常勤の官職を非分類官職という。

出典　ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

世界大百科事典（旧版）内の官職の言及

【職階制】より

…組織を構成する多数の職位または官職positionを職務の種類および複雑さと責任の度合に応じ，等級をつけて分類整理する計画または制度をいう。国家公務員の場合，官職とは一般職に属する職であり，その内容は1人の職員に割り当てられる職務と責任であり，個人のもつ資格，成績，または能力ではない。…

※「官職」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典｜株式会社平凡社「世界大百科事典（旧版）」