定石(読み)ジョウセキ

デジタル大辞泉 「定石」の意味・読み・例文・類語

じょう‐せき〔ヂヤウ‐〕【定石/定跡】

(定石)囲碁で、昔から研究されてきて最善とされる、きまった石の打ち方
定跡将棋で、昔から研究されてきて最善とされる、きまった指し方。
物事をするときの、最上とされる方法手順。「―を踏んだ捜査手順」
[類語]仕方方法り方仕振り仕様しようよう方式流儀り口でん致し方手段手口メソッド方途機軸てだて方便術計常軌常套常道定法正攻法

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精選版 日本国語大辞典 「定石」の意味・読み・例文・類語

じょう‐せきヂャウ‥【定石・定跡】

  1. 〘 名詞 〙
  2. ( 定石 ) 囲碁で、布石段階に隅でできるきまった型。双方が最善をつくし五分の分かれになるのが普通。周囲の配置関係で成立する特殊定石もある。基本定石は千型くらい。変化は数十万に達し、現在も新定石が次々に生み出されている。中国では、古来定勢(ていせい)という。〔運歩色葉(1548)〕
    1. [初出の実例]「勝ことは定石なれば百目も碁力のつよく成よしもがな」(出典:狂歌・大団(1703)三)
  3. ( 定跡 ) 将棋で、昔から伝えられる最善の駒組。また、その指針となる正しい手順。〔モダン新用語辞典(1931)〕
  4. 物事に対するきまったやり方。おきまりのやりくち。おさだまり。
    1. [初出の実例]「傾城買には紙子がじゃうせき」(出典:浄瑠璃・平仮名盛衰記(1739)四)
    2. 「時々定跡(ヂャウセキ)にない事をやるんでね」(出典暗夜行路(1921‐37)〈志賀直哉〉三)

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「定石」の意味・わかりやすい解説

定石
じょうせき

囲碁用語。布石の段階で隅に現れる形。双方最善を尽し,互角に分れて一つの基準になったもの。基本的な形を基本定石,手数が多くむずかしい変化を含むものを難解定石,新しいものを新定石などという。三三,星,小目 (こもく) ,高目 (たかもく) ,目はずしの5種に大別されるが,ほかに特殊な形もある。たとえば小目はさらに一間ばさみ,二間高ばさみなど多くの形に分れ,定石の数は 3000ぐらい,変化図を入れると数万以上に及ぶ。権威のある定石辞典として鈴木為次郎の『囲碁大辞典』 (3巻,1957) がある。碁が盛んになるにつれ,定石は布石とともに碁以外の一般用語にも使われるようになった。

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