デジタル大辞泉
「宝島」の意味・読み・例文・類語
たからじま【宝島】
1 《原題Treasure Island》R=L=スチーブンソンの小説。1883年刊。海賊フリントの財宝を隠した宝島の地図を偶然手に入れたジム少年が、死闘の末に宝を持ち帰るまでを描く。
2 真藤順丈の長編小説。平成30年(2018)発表。第二次大戦後の沖縄を舞台に、幼なじみの3人の若者を描く。第160回直木賞受賞。
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たからじま【宝島】
- ( 原題[英語] Treasure Island ) 長編小説。ロバート=L=スチーブンソン作。一八八三年刊。少年ジムが、一本足の海賊シルバーに出会い、フリント船長の財宝の隠された島で、大冒険の末ついに財宝を手に入れるまでを描く。
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宝島 (たからじま)
Treasure Island
イギリスの小説家R.L.スティーブンソンの長編小説。1883年刊。海賊が南海のある島に隠した宝物をめぐって,善玉悪玉が争って手に入れようとする冒険物語。ジム・ホーキンズ少年や一本脚のもと海賊ジョン・シルバーなど,忘れられない登場人物も多い。しかし子ども向けの物語として有名になりすぎてしまったため,その文学的特質がとかく忘れられがちなのは惜しい。恐怖の心理描写やすぐれた文体など,大人が読むに十分値する作品である。日本では1895年(明治28)《文芸俱楽部》に抄訳が掲載されて以来,押川春浪,大仏次郎,阿部知二などの翻訳によって広く読まれた。
執筆者:小池 滋
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宝島
たからじま
Treasure Island
イギリスの作家 R.L.スチーブンソンの冒険小説。 1883年刊。全編スリルに満ち,海洋と冒険の2要素を兼ねそなえた児童文学の傑作。継子ロイド・オズボーンが孤島の地図を空想的に描くのを見て着想されたといわれる。海賊キャプテン・キッドの宝の地図を手に入れたジム少年の冒険を描く。片足の悪党ロング・ジョン・シルバーが有名。
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宝島【たからじま】
鹿児島県,吐【か】喇(とから)列島南部の島。面積7.07km2。中央の山地と2段の隆起サンゴ礁からなる。中世には薩摩から琉球に渡る船を導く役割をもち,江戸時代には鹿児島藩直轄で船奉行の支配下であった。鹿児島郡十島村に属し,サツマイモ作,牛の牧畜,漁業が行われる。鹿児島〜名瀬間の定期船が寄港。北東に小宝島(1.00km2)がある。
宝島【たからじま】
R.L.スティーブンソンの長編小説。1883年刊。語り手の少年ジムは英国西海岸の木賃宿の息子だが,ふとしたはずみで海賊が宝を隠した島の地図を手に入れ,地主や医師とともに宝島に向かう。しかし,船にはロング・ジョン・シルバー以下の海賊が乗り込んでおり,反乱や戦いが続く。波乱とスリルに満ち,冒険小説の傑作とされる。
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宝島〔鹿児島県〕
鹿児島県鹿児島郡十島村、南西諸島トカラ列島に属する島。薩摩半島から南西約270キロメートルに位置する同列島最南端の有人島。サンゴが隆起してできたハート型の島で、面積は約7.14平方キロメートル。海賊キャプテン・キッドが財宝を隠したという伝説が残る鍾乳洞がある。
宝島〔雑誌〕
株式会社宝島社が発行していた情報誌。1974年創刊。マニアックなサブカルチャー誌として若者の人気を集める。2015年8月発売の10月号をもって休刊。代表的な編集者に片岡義男、嵐山光三郎など、寄稿者に景山民夫、いとうせいこう、戸川純などがいる。
宝島〔アニメ〕
日本のテレビアニメ。放映は日本テレビ系列(1978年10月~1979年4月)。原作:ロバート・ルイス・スチーブンソンによる児童文学作品。制作:東京ムービー新社(現:トムス・エンタテインメント)。
宝島〔小説〕
真藤順丈の長編小説。米軍施政下の沖縄で育った3人の若者たちの人生を通して、基地問題へと続く沖縄の戦後史を描く。2018年刊行。第9回山田風太郎賞および第160回直木賞受賞。
宝島〔北海道〕
北海道ニセコ積丹小樽海岸公園内、美国港の北方約0.6kmに位置する無人島。古くは「チャシナイ」と呼ばれた。
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世界大百科事典(旧版)内の宝島の言及
【スティーブンソン】より
… 彼の一生がロマンティックで多彩であったように,その作品は短い生涯にしては驚くほど多産でロマンスの香気あふれるものであった。小説の代表作は《[宝島]》(1883),《[ジキル博士とハイド氏]》(1886)であるが,その他《新アラビアン・ナイト》(1882)は今日流行のスリラー小説の先駆ともいうべきもの,《バラントレー家の世嗣》(1889)は故国スコットランドを舞台にした歴史小説である。小説のほかに詩作品,エッセー,伝記(短い吉田松陰伝もある)なども多い。…
【世紀末】より
…広い意味では,まさしくこのような世紀末型の人間類型の登場を,T.マンが一族の没落の歴史《ブデンブローク家の人々》(1901)をかりて詳細に跡づけ,S.フロイトが《夢判断》(1900)で精神分析を通じて診断したといえるだろう。この点,同じ時代がドイルの〈シャーロック・ホームズ・シリーズ〉に代表される推理小説という文学ジャンルを,またスティーブンソンの《宝島》(1883)などの冒険小説を生み出したのも無関係ではない。いずれも知性の人工楽園にとじこもるためにうってつけの文学であり,人工的な刺激を求める都市人間の求めに応じたものである。…
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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」