宵の明星(読み)よいのみょうじょう

精選版 日本国語大辞典 「宵の明星」の意味・読み・例文・類語

よい【宵】 の 明星(みょうじょう)

日没後、西の空に輝く金星。ゆうつづ。
※俳諧・芭蕉林(1743)「きさらぎや落行甲おもたくて〈蘭夕〉 あらしに光る宵の明星曾良〉」

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デジタル大辞泉 「宵の明星」の意味・読み・例文・類語

よい‐の‐みょうじょう〔よひ‐ミヤウジヤウ〕【宵の明星】

日没後、西の空に明るく輝く金星。⇔明けの明星
[類語]明星暁星明けの明星一番星太陽系水星金星地球火星木星土星天王星海王星

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世界大百科事典 第2版 「宵の明星」の意味・わかりやすい解説

よいのみょうじょう【宵の明星】

日没後の空に現れる金星の称で,〈明けの明星〉に対する。《万葉集》には〈明星(あかぼし)〉と〈夕星(ゆうずつ)〉,《和名抄》では漢名による〈明星〉と〈長庚(ゆうずつ)〉で,近世の辞書類も多く後者によっている。なまって〈よいの明神〉という地方も多い。また〈よいぼし〉〈ゆうぼし〉〈くれのほし〉といい,島根には〈よいとどぼし〉の名もある。〈よいとど〉はよいから早く寝る意味。奄美大島では〈ゆうばなぶし(夕飯星)〉で,沖縄では〈ヨーネーヨーファー(よいの明星)〉〈ゆうばなまんじゅうぼし(夕飯をほしがる星)〉である。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「宵の明星」の意味・わかりやすい解説

宵の明星
よいのみょうじょう

東方最大離角前後にある金星別称。1会合周期 (583.9日) ごとに数週間にわたって,日没後の西の空で輝いて見える。

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百科事典マイペディア 「宵の明星」の意味・わかりやすい解説

宵の明星【よいのみょうじょう】

夕方西の空に輝く金星

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「宵の明星」の意味・わかりやすい解説

宵の明星
よいのみょうじょう

金星

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世界大百科事典内の宵の明星の言及

【金星】より

…地球よりも太陽に近く,太陽より48゜以上離れないので真夜中の空に見ることなく,日没後の西空,または日の出前の東空に見るのみである。夕空に見えるときには〈宵の明星〉,暁の空に見えるときには〈明の明星〉という。古代ギリシアでは夕空に見えるときにはヘスペロスHesperos,暁の空に見えるときにはヘオスフォロスHeōsphorosと呼び,中国ではそれぞれ長庚(ちようこう),啓明と呼んだ。…

【太白】より

…五行説では金に配するので金星とも称するようになった。本来は明けの明星を啓明,宵の明星を長庚または太白と呼んで区別した。古来軍事に関連する星と考えられ,特に戦時には戦局を占う手がかりとしてその動向が注目された。…

※「宵の明星」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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