家事(読み)かじ

精選版 日本国語大辞典 「家事」の意味・読み・例文・類語

か‐じ【家事】

〘名〙
① 家庭内の事柄。一家内の私事
※仏乗禅師東帰集(1335頃)遜菴「家事年来求主宰、誤遭破粥鍋
花間鶯(1887‐88)〈末広鉄腸〉上「伊藤には家事(カジ)を少しも聞かしては無し」 〔礼記‐喪大記〕
② 家庭内のいろいろな仕事。また、その仕事のきりもり。家政
※古活字本毛詩抄(17C前)五「さうして、三月めに廟の祭を助るぞ。祭を助けぬ前には、よめとは云ぬぞ。さうしてから家事を司るぞ」

いえ‐ごと いへ‥【家事】

〘名〙 その家の職業家業

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デジタル大辞泉 「家事」の意味・読み・例文・類語

か‐じ【家事】

家庭内の事情や事柄。「家事都合により休暇
掃除洗濯食事支度育児など、家庭生活に欠かせない仕事。「家事手伝い」「家事に追われる」
[類語]家政水仕事

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普及版 字通 「家事」の読み・字形・画数・意味

【家事】かじ

家のこと。〔史記、廉頗相如伝〕(趙括の)母、~曰く、始め妾、其のに事(つか)ふ。時に將爲(た)り。~命を受くるの日、家事を問はざりき

字通「家」の項目を見る

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世界大百科事典 第2版 「家事」の意味・わかりやすい解説

かじ【家事】

家事とは,抽象的に定義すれば労働力再生産を保障する作業であり,人間家族という単位集団生活を営んでいく限り,必要不可欠な作業である。また家事は,生命の再生産を保障する作業としての〈育児〉と実際上はきわめて深いつながりをもつが,通常概念上は両者は区別されることもある。家事の基本性格や家事労働をめぐる具体的な問題状況は,時代により社会のあり方によって大きく異なるが,今日われわれが体験している家事や家事労働の歴史的特徴は何であろうか。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「家事」の意味・わかりやすい解説

家事
かじ

家庭生活を円滑に営んでいくうえに必要な諸作業をいう。料理,裁縫,育児,洗濯,清掃,生活用品の購入,家計の切盛りなどが含まれる。家事は人間の生命維持に直接関係あるもので,家庭生活を支えるものである。

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世界大百科事典内の家事の言及

【家政学】より

…19世紀後半,アメリカをはじめイギリスなど欧米諸国で,料理や裁縫など家事の技術教育が女子の初等教育にとり入れられはじめ,1870‐80年代には,アメリカやイギリスでそのための教員養成機関が設立された。家事技術とこれに必要な諸科学を内容とする家政学の一つの伝統はこの流れのなかにある。…

【主婦】より

…家庭の運営にかかわる作業をする人は主婦に限られるわけではない。しかし,夫婦中心の小家族においては,主婦は,家事や育児など限られた作業を自分の決めた方針に従って,自分自身の手で行う人となっている。 西欧の夫婦を基礎単位とする核家族においては,産業革命が〈主婦housewife〉を誕生させたといわれている。…

※「家事」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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