寂れる(読み)サビレル

デジタル大辞泉 「寂れる」の意味・読み・例文・類語

さび・れる【寂れる/荒びれる】

[動ラ下一][文]さび・る[ラ下二]
活気がなくなって寂しくなる。ひっそりする。「―・れた冬の浜辺」「―・れた町」
勢いが衰える。「虫の音が―・れる」
[類語]衰える廃れる落ち目減退後退下火退潮尻すぼまり廃頽下り坂左前不振じり貧どか貧先細り下がり目低落廃る傾く尻下がり尻切れとんぼ竜頭蛇尾孤城落日末期的衰残弱体化衰弱衰微衰退頓挫衰え地に落ちる没落落ちぶれるうらぶれる成り下がる零落凋落ちょうらく転落落魄らくはく淪落堕落末路斜陽成れの果て見る影もない朽ちる消沈衰亡たそがれ失速焼きが回る耄碌もうろくぽんこつ火の車終末大詰め尾羽うち枯らす世も末尻すぼみ物寂しいさびしいさみしいうら寂しいこころ寂しいわびしい人恋しい孤愁人懐かしい物恋しい小寂しい哀感寂寥せきりょう寂寞せきばく寂寞じゃくまく索漠落莫らくばく蕭然しょうぜん蕭蕭しょうしょう蕭条しょうじょう蕭殺しょうさつ寥寥りょうりょう徒然つれづれ徒然とぜんすがれるしみじみ萎靡いび愁いさむざむセンチメンタル落日うら悲しいしんみりむせぶ哀愁悲愁憂愁物悲しい衰勢物哀れ物思わしい切ない哀切諦観春愁幽愁秋風索漠愁思秋思愁然孤独盛者必衰やるせない

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精選版 日本国語大辞典 「寂れる」の意味・読み・例文・類語

さび・れる【寂・荒】

  1. 〘 自動詞 ラ行下一段活用 〙
    [ 文語形 ]さび・る 〘 自動詞 ラ行下二段活用 〙
  2. 盛んであった人の往来出入りが衰える。にぎやかでなくなる。また、隆盛であったものごとが衰微する。
    1. [初出の実例]「其頃より開帳もさびれて造り物工みて上る沙汰もなし」(出典:随筆・賤のをだ巻(1802))
    2. 「今まで働いてゐたカフーが寂れると」(出典放浪記(1928‐29)〈林芙美子〉)
  3. 荒れはてる。荒廃する。
    1. [初出の実例]「サッパリとはしてゐれど〈略〉さびれはてたうちにも、どうやら間近になった冬のすさまじさが見透かされる」(出典:あひゞき(1888)〈二葉亭四迷訳〉)

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