密語(読み)ミツゴ

デジタル大辞泉 「密語」の意味・読み・例文・類語

みつ‐ご【密語】

[名](スル)
ひそかに話すこと。また、その話。ひそひそ話
「耳に附きて―せし事といえども、漏すことなく」〈中村訳・西国立志編
仏語
㋐仏が真実を裏に秘めて説いた言葉や教え。密言
密教真言陀羅尼だらに。密言。
[類語](1私語耳語ひそひそ話耳打ち内緒話耳こすり囁く

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精選版 日本国語大辞典 「密語」の意味・読み・例文・類語

みつ‐ご【密語】

  1. 〘 名詞 〙
  2. ( ━する ) ひそかにささやくこと。また、ひそひそばなし。私語。密言。
    1. [初出の実例]「頭弁蜜語云、可返給乎」(出典:小右記‐長和三年(1014)正月七日)
    2. 「喃々(〈注〉グヅグヅ)密語する者は、情郎(〈注〉イロオトコ)の情を談ずる也」(出典:江戸繁昌記(1832‐36)初)
    3. [その他の文献]〔漢書‐宣元六王伝〕
  3. 仏語。仏の、奥深い真実が隠されて説かれた語。密言。〔北本涅槃経‐九〕
  4. 仏語。密教の真言陀羅尼。密言。密呪(みつじゅ)
    1. [初出の実例]「密語者、凡夫二乗不知、故曰密語、真言者、如来言真実、無虚妄、故曰真言」(出典:秘蔵記(835頃か))
  5. ( 「密」は親密の意 ) 仏語。相対を超える絶対真実のことば。〔景徳伝燈録‐一七〕

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「密語」の意味・わかりやすい解説

密語
みつご

仏教用語。真実を裏に隠して説かれた語。仏教の教えは言葉の表面的な理解だけでは,真理に到達したとはいえない。隠された意味,すなわち密意 (みっち) を理解しなくてはならない。この考えから逆に真意をわざと隠した語句がつくられ,これを一般に密語という。

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普及版 字通 「密語」の読み・字形・画数・意味

【密語】みつご

内緒の話。

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