寿(読み)コトブキ

デジタル大辞泉 「寿」の意味・読み・例文・類語

こと‐ぶき【寿】

祝いの言葉を言うこと。また、その言葉。ことほぎ。「婚姻寿を述べる」
めでたいこと。いわい。よろこび。また、その儀式。「寿を成す」
命の長いこと。長生き長命。長寿。「寿を保つ」
[類語]おめでた吉事慶事好事きちめでたい喜ばしい慶賀恭賀謹賀奉賀奉祝慶祝大慶同慶御慶ぎょけい慶福祝賀祝着しゅうちゃく祝福祝勝喜ぶ大吉祝い事晴れの日賀する祝う祝することほぐ佳日吉日恐悦

じゅ【寿〔壽〕】[漢字項目]

常用漢字] [音]ジュ(呉) [訓]ことぶき ことぶく ことほぐ
長生きする。長命。「福寿
いのち。とし。「寿命延寿喜寿聖寿長寿天寿白寿
長命の祝い。「寿賀
祝いの言葉を述べる。ことほぐ。「寿詞
[名のり]いき・かず・たもつ・つね・とし・としなが・なが・のぶ・ひさ・ひさし・ひで・ひろし・ほぎ・やすし・よし
[難読]寿司すし寿詞よごと

じゅ【寿】

命の長いこと。長生き。長命。「寿を養う」
長命の場合の年齢。「百歳の寿を保つ」
祝いの言葉や贈り物
「喜びの余り…千金を―にしたとか」〈芥川・秋山図〉

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精選版 日本国語大辞典 「寿」の意味・読み・例文・類語

こと‐ぶき【寿】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 慶事をことばで祝うこと。また、そのことば。ことほぎ。ほぎごと。祝言。
    1. [初出の実例]「卯杖(うづゑ)のことぶき」(出典:枕草子(10C終)八〇)
    2. 「老鶴のかことの事先年申候し、めてたきことふきを申て候とこそ存候へ」(出典:実隆公記‐明応七年(1498)八月紙背)
  3. いのち。よわい。また、いのちの長いこと。長命。寿命。
    1. [初出の実例]「草の庵に久しきつまを飾りて、戒をば保たずして、ことふきを保てるさまども」(出典:類従本賀茂女集(10C後))
  4. めでたいこと。いわい。また、そのいわいの儀式。現代では、そのときに、祝儀袋などに書く文字をもいう。
    1. [初出の実例]「早く是を天に祭(まつ)て寿(コトブキ)をなすべし」(出典:太平記(14C後)一七)
    2. 「其志の篤きに愛(めで)て、豊雄をすすめてつひに婚儀(コトブキ)をとりむすぶ」(出典:読本・雨月物語(1776)蛇性の婬)
  5. 祝いの品。
    1. [初出の実例]「宿坊の院主あるじこまやかにして、ことぶきさへとりそへて」(出典:筑紫道記(1480))

じゅ【寿】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 年齢。とし。よわい。
    1. [初出の実例]「白兎〈月之精也。其寿千歳〉」(出典:延喜式(927)二一)
    2. [その他の文献]〔史記‐蔡沢伝〕
  3. ( 形動 ) 長く生命を保つこと。長生きすること。また、そのさま。長命。長生。長寿。
    1. [初出の実例]「哀楽如夢。未是界之寿。禍福相改」(出典:本朝文粋(1060頃)一四・村上天皇為母后四十九日御願文〈大江朝綱〉)
    2. 「顔淵は寿(ジュ)なる可き筈なれども」(出典:福翁百話(1897)〈福沢諭吉〉五)
    3. [その他の文献]〔書経‐洪範〕
  4. 祝いの贈りもの。祝い。ことほぎ。祝賀。
    1. [初出の実例]「張氏の孫を上座に招じて、〈略〉千金を寿(ジュ)にしたとか云ふ事です」(出典:秋山図(1920)〈芥川龍之介〉)
    2. [その他の文献]〔戦国策‐燕策下・王喜〕

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[日本酒・本格焼酎・泡盛]銘柄コレクション 「寿」の解説

ことぶき【寿】

山口日本酒。酒名は、長命を祈り縁起のよさから命名。原料米は全量自家精米し、昔ながらの造りを守る。大吟醸酒純米吟醸酒純米酒本醸造酒がある。平成9、12、16、22、23年度全国新酒鑑評会で金賞受賞。原料米は山田錦、西都の雫など。蔵元の「中島屋酒造場」は文政6年(1823)創業所在地は周南市土井。

ことぶき【寿】

愛媛の日本酒。蔵元の「濱田酒造」は明治33年(1900)創業。所在地は宇和島市吉田町法花津。

出典 講談社[日本酒・本格焼酎・泡盛]銘柄コレクションについて 情報

デジタル大辞泉プラス 「寿」の解説

寿〔曲名〕

日本のポピュラー音楽。歌はJ-POPグループ、ET-KING。2012年発売。作詞:ET-KING、MAST、作曲:ET-KING、MAST。

寿〔日本酒〕

山口県、株式会社中島屋酒造場の製造する日本酒。全国新酒鑑評会で金賞の受賞歴がある。

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動植物名よみかた辞典 普及版 「寿」の解説

寿 (ヒサ)

植物キンポウゲ科のクレマチスの園芸品種

出典 日外アソシエーツ「動植物名よみかた辞典 普及版」動植物名よみかた辞典 普及版について 情報

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