射干(読み)シャガ

デジタル大辞泉 「射干」の意味・読み・例文・類語

しゃ‐が【射干/×莪】

アヤメ科多年草林下に群生し、高さ50~60センチ。葉は剣状。5月ごろ、黄色い斑点のある白い花を咲かせる。種子はできない。胡蝶花 夏》墓所水落つる小溝や―の花/碧梧桐

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精選版 日本国語大辞典 「射干」の意味・読み・例文・類語

や‐かん【射干・野干】

  1. [ 1 ] 〘 名詞 〙
    1. 狐の異名。また、中国では、狐に似た伝説上の悪獣。よく木に登り、夜鳴く声が狼に似ているという。
      1. [初出の実例]「彼の犬の子、家室を咋はむとして追ひて吠ゆ、即ち驚き澡(お)ぢ恐り、野干と成りて」(出典:日本霊異記(810‐824)上)
      2. [その他の文献]〔司馬相如‐子虚賦〕
    2. ( 野干 ) 能面の一つ。を模した鬼畜面。「小鍛冶(こかじ)」「殺生石(せっしょうせき)」などの後シテに使用。
    3. 植物「ひおうぎ(檜扇)」の漢名。〔色葉字類抄(1177‐81)〕
  2. [ 2 ] ( 野干 ) 謡曲。廃曲。下野国の三浦之介は那須野の原を訪れ、自分が退治した野干の亡霊を弔って、これを成仏させる。

しゃ‐が【射干・者我・著我】

  1. 〘 名詞 〙 アヤメ科の多年草。各地の山野の林中の斜面などに群生し、庭にも植えられる。高さ三〇~六〇センチメートル。葉は剣状で平行脈があり、長さ二〇~四〇センチメートル。春、茎頂緑色の苞をもつ枝を数個分け、各枝頭に径約五センチメートルの花を一~二個ずつ開く。花はアヤメに似ているが、白紫色で黄色い斑点があり縁は糸状に細裂。和名は、ヒオウギの漢名「射干」による。漢名に胡蝶花を当てることもある。《 季語・夏 》 〔文明本節用集(室町中)〕

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動植物名よみかた辞典 普及版 「射干」の解説

射干 (ヒオウギ・カラスオギ)

学名Belamcanda chinensis
植物。アヤメ科の多年草,園芸植物,薬用植物

射干 (シャガ)

学名:Iris japonica
植物。アヤメ科の常緑多年草,園芸植物

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普及版 字通 「射干」の読み・字形・画数・意味

【射干】やかん

ひおうぎ。

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世界大百科事典(旧版)内の射干の言及

【野干】より

…中国文献や仏典に見える野獣。射干,射杆とも書く。狐に似て狐より小さく,群れをなして夜行する。…

【ヒオウギ】より

…庭園用としてまた切花として広く用いられ,鉢栽培もされる。根茎を乾燥したものを射干(やかん)といい,解毒,通経などに用いられる。配糖体のシェカニンshekaninを含有する。…

※「射干」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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