中国古代の兵法書。武経(ぶけい)七書の一つ。戦国時代の兵法家、のち秦(しん)の始皇帝(しこうてい)に仕え、国尉(こくい)(軍部の長官)に任ぜられた尉繚(うつりょう)の著書。『漢書(かんじょ)』の「芸文志(げいもんし)」雑家(ざっか)に『尉繚』29編、兵形勢家(へいけいせいか)に『尉繚』31編とみえるが、現存の5巻24編は、後者のそれが残存したものとされている。三国時代以後の偽書とする説もあったが、1972年、山東省臨沂(りんぎ)県銀雀山(ぎんじゃくざん)漢墓から出土した『尉繚子』の竹簡によって、覆されることになった。
[篠田雅雄]
『野口定男他訳『中国古典文学全集4 史記上 秦始皇本紀 第6』(1958・平凡社)』
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