小国(読み)ショウコク

デジタル大辞泉 「小国」の意味・読み・例文・類語

しょう‐こく〔セウ‐〕【小国】

国土が狭い国。また、国力の振るわない国。
[類語]弱国

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精選版 日本国語大辞典 「小国」の意味・読み・例文・類語

しょう‐こくセウ‥【小国】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 小さな国。領土が狭く人口も少ない国。また、勢力の弱い国。また、へりくだって自分の国をいう。
    1. [初出の実例]「西方大国。将東方小国」(出典:聖徳太子伝暦(917頃か)下)
    2. 「世もしづまりてこそ、大国も小国も官も加階もすすみ侍らめ」(出典:平治物語(1220頃か)上)
    3. [その他の文献]〔老子‐六一〕
  3. 鶏の異名。〔和漢三才図会(1712)〕

お‐くにを‥【小国】

  1. 〘 名詞 〙 ( 「お」は接頭語 ) 小さな国。しょうこく。また、単に国のこと。⇔大国(おおくに)
    1. [初出の実例]「大国・小国(をくに)の国造(くにのみやつこ)を定め賜ひ」(出典:古事記(712)中)

おぐにをぐに【小国】

  1. 姓氏の一つ。

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日本歴史地名大系 「小国」の解説

小国
おぐに

戦国期以降にみえる地名。中世には下長井のうちで、おおよそ明治二二年(一八八九)に成立した津川つがわ村域を除いた現在の小国町域をさし示し、近世にも小国盆地を中心とする地域の総称として広く用いられた。天文七年(一五三八)の段銭古帳に「三十九〆九百廿五文 小国御太領」「四十八〆仁百廿文 おくに 上こほり山かた」とみえ、当地は伊達氏直轄領と同氏家臣の小国城主上郡山氏領に分れていた。伊達氏天文の乱のさなかの天文一四年六月、当地の領主「上郡山常陸景軽」は心変りして「下長井」と約し、晴宗方の中津川助兵衛を攻撃したが助兵衛はこれを防いでいる(伊達正統世次考)

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「小国」の意味・わかりやすい解説

小国(町)(熊本県)
おぐに

熊本県北部、阿蘇郡(あそぐん)にある町。1935年(昭和10)町制施行。全域、火山岩(新生代新第三紀および第四紀)、火山噴出物(第四紀)で覆われ、北に傾斜し、杖立(つえたて)川、北里川などの河川は合して、日田(ひた)盆地に流入し、筑後(ちくご)川となる。JR豊肥(ほうひ)本線阿蘇駅からバスが通じる。地形的な関係もあり、国鉄宮原(みやのはる)線(1984年廃線)、国道212号、387号などの主要交通網は大分県側から敷設され、現在もなお、大分県の日田地域との関係が強い。日田地域から連なるこの町のスギの育成林業は、御山(おやま)支配役の藩有地へのスギ苗植込みの強制(1751~1763)に端を発し、国有土地森林原野下戻法(1899)以降、一層の発展をみたものである。また古くから牛馬の放牧地として利用されていた入会(いりあい)原野も個人有、町有に移っていく過程で土地利用形態も草場、まぐさ場から、集落近くでは乳牛の牧場、それより外では和牛の牧場、最遠部ではスギ、クヌギの植林地に転換してきている。副業として導入されたシイタケ栽培ならびに乾燥シイタケ生産はいまや、主業の地位にある。杖立、はげの湯、山川などの温泉にも恵まれているほか、下筌ダム(しもうけだむ)もある。ほかに国道442号も通じる。この町出身で世界的な細菌学者の北里柴三郎の文庫、遺品などを展示する北里柴三郎記念館がある。なお、御神幸行列の役職が世襲で定められている小国両神社(おぐにりょうじんじゃ)の例祭は、いにしえの山村社会の姿をしのばせる。面積136.94平方キロメートル(一部境界未定)、人口6590(2020)。

[山口守人]



小国(町)(山形県)
おぐに

山形県南西端、西置賜郡(にしおきたまぐん)にある町。北と西は新潟県、南は福島県に接する。1942年(昭和17)町制施行。1954年(昭和29)南小国村、北小国村と合併、1960年津川村を編入。北東部は朝日連峰、南部は飯豊(いいで)連峰に属する山岳地帯が占め、両山地間に小国盆地が開ける。豪雪で知られる農山村地域。ブナを中心とした広葉樹林が広がる。中心地小国は、江戸時代米沢藩(よねざわはん)の西の要地として御役屋将(おやくやしょう)(城代)が置かれ、越後(えちご)と米沢を結ぶ越後街道(国道113号)の宿駅であった。米坂(よねさか)線開通(1936)後に豊富な水力発電と結び付いた石英製品などを製造する化学工場などが立地して工場町となった。農業は稲作を中心に畜産、山菜やキノコ栽培が行われる。磐梯(ばんだい)朝日国立公園の一部で、朝日、飯豊両連峰の登山口にあたり、赤芝(あかしば)峡は紅葉の名所。面積737.56平方キロメートル(境界一部未定)、人口7107(2020)。

[中川 重]

『『小国町誌』(1966・小国町)』



小国
おぐに

新潟県南部、刈羽郡(かりわぐん)にあった旧町名(小国町(まち))。現在は長岡(ながおか)市の南部を占める地域。1956年(昭和31)上小国村と小国村が合併して町制施行。2005年(平成17)に長岡市に編入。渋海川(しぶみがわ)中流の小国盆地にある地方中心町。国道291号、403号、404号が走る。旧町域は長岡市に編入され、小千谷(おぢや)市、柏崎(かしわざき)市からも10キロメートル前後しか離れていないが、交通的に隔絶された純山村で、中世は豪族小国氏の居城があった。かつては養蚕が盛んであったが、現在では米作が主体。冬季の出稼ぎが盛んである。小国紙の特産地でもあり、その技術は県の無形文化財。

[山崎久雄]

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改訂新版 世界大百科事典 「小国」の意味・わかりやすい解説

小国[町] (おぐに)

熊本県阿蘇郡の町。人口7877(2010)。県最北東端に位置し,大分県に接する。全域を標高1000m前後の山々が占め,杖立川本支流が谷を刻んで北西流する。中心集落の宮原は古くからの交通の要衝であり,国道212号,442号線の交差する地点でもある。基幹産業は農林業で,農業は米作と畜産を主体とし,ダイコンなど高冷地野菜栽培が行われ,出作により生産を伸ばしている。林業では小国杉として知られる杉材の産地であり,シイタケなどの林産物にも力が注がれている。天然記念物の下の城のイチョウ阿弥陀の杉があり,東部にそびえる涌蓋山(わいたさん)一帯の山地は阿蘇くじゅう国立公園,北部の杖立温泉周辺は耶馬日田英彦山(やばひたひこさん)国定公園に含まれる。
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小国[町] (おぐに)

山形県南西端,西置賜(にしおきたま)郡の町。人口8862(2010)。新潟県境に位置し,南西部は飯豊山地,北東部は朝日山地に囲まれ,荒川上流域を占める。町域の大部分は山林で,県下でも有数の豪雪地帯である。中心集落の小国は越後との国境に位置するため江戸時代に米沢藩の支城(御役屋)が置かれ,城代以下の家士が警備に当たり,付近に口留番所も設置されていた。また米沢と越後を結ぶ越後街道の宿駅でもあり,旅籠や塩問屋などが立ち並んでにぎわった。現在もJR米坂線,国道113号線が通る交通の要所である。1937年に化学工場が立地して以来,荒川水系の発電を利して次々と工場が誘致され,石英ガラス,合金鉄などを生産する。
執筆者:


小国(新潟) (おぐに)

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普及版 字通 「小国」の読み・字形・画数・意味

【小国】しよう(せう)こく

小さな国。〔老子、八十〕小國寡民、~其の居に安んじ、其の俗を樂しむ。國相ひみ、犬の聲相ひ聞ゆるも、民老死に至るまで、相ひ來せず。

字通「小」の項目を見る

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「小国」の意味・わかりやすい解説

小国
おぐに

新潟県中部,信濃川の支流渋海川中流域にある長岡市南西部の旧町域。柏崎市と小千谷市の間に位置する。 1956年小国村,上小国村の2村が合体して町制。 1957年千谷沢村の一部を編入。 2005年長岡市に編入。中世,小国氏が繁栄した地で,小国保と呼ばれる。渋海川は深い峡谷をなして隔絶性が強く,流域の小盆地は小国郷といわれ,長い間舟便が唯一の交通であった。谷には水田が開け八石米を産する。著名な豪雪地で,小国和紙の特産がある。

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動植物名よみかた辞典 普及版 「小国」の解説

小国 (ショウコク)

学名:Gallus gallus var.domesticus
動物。キジ科の鳥

出典 日外アソシエーツ「動植物名よみかた辞典 普及版」動植物名よみかた辞典 普及版について 情報

デジタル大辞泉プラス 「小国」の解説

小国

熊本県阿蘇郡小国(おぐに)町にある道の駅。国道387号・442号に沿う。

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世界大百科事典(旧版)内の小国の言及

【ニワトリ(鶏)】より


[観賞用種]
 雄鶏の時を告げる声を観賞する長鳴鶏としては,東天紅(とうてんこう)(イラスト),声良(こえよし),唐丸(とうまる)など,ひと声を20秒以上も引きのばす品種が作出されている。美しい姿態を楽しむ品種としては小国(しようこく),地鶏(じどり),尾曳(おひき),蓑曳(みのひき),黒柏(くろかしわ),鶉尾(うずらお),比内鶏(ひないどり)(イラスト),地頭鶏(じとつこ),烏骨鶏(うこつけい),チャボ(矮鶏)(イラスト)があるが,蓑羽と尾羽が換羽せずに伸びつづけ,8m以上に達する尾長鶏(イラスト)は世界的に有名である。闘鶏用の品種にはシャモ(軍鶏)(イラスト),薩摩鶏(さつまどり),河内奴(かわちやつこ)がある。…

※「小国」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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