改訂新版 世界大百科事典 「小学館」の意味・わかりやすい解説
小学館[株] (しょうがくかん)
相賀(おうが)祥宏(1897-1938)が1922年に創業した出版社。本社は東京一ツ橋。1922年から25年にかけて子どもの成長過程に見合った学年別学習雑誌6誌(《セウガク一年生》から《小学六年生》まで)を,続いて27年には学年別教育雑誌6誌(《小学一年生教育》から《小学六年生教育》まで)を創刊,初等・中等教育の普及とあいまって大当りとなり社の基礎が固まった。第2次大戦中,一時国策色の強い雑誌を発行したが,戦後は保育・絵本雑誌,少年・少女雑誌など男女別,年齢別にさまざまな雑誌を創刊してきた。なかでも《週刊少年サンデー》(1959),《週刊女性セブン》(1963),《ビッグコミック》(1968),《週刊ポスト》(1969)などが代表的なものである。近年,雑誌のなかでもコミック誌の売上げに占める割合が高いのが特徴である。雑誌出版のかたわら書籍刊行にも力を入れ《図説日本文化史大系》全14巻(1956),《原色日本の美術》全20巻(1966),《大日本百科事典ジャポニカ》全28巻(1967),《日本国語大辞典》全20巻(1972)などを刊行,総合出版社となっている。とくに雑誌部門ではその関連会社の集英社とともにその所在地から一ツ橋グループとよばれ,講談社,光文社の音羽(おとわ)グループと対抗している。
執筆者:矢作 勝美
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報