小隠(読み)しょういん

精選版 日本国語大辞典 「小隠」の意味・読み・例文・類語

しょう‐いんセウ‥【小隠】

  1. 〘 名詞 〙 未熟な隠者。十分には悟り得ない隠者。悟りの道にはいっても俗事を離脱できない隠者。⇔大隠(たいいん)
    1. [初出の実例]「有寺安禅坐、無山小隠行」(出典菅家文草(900頃)四・感秋)
    2. 「いま仏祖の大道を行持せんには、大隠小隠を論ずることなく」(出典:正法眼蔵(1231‐53)行持)
    3. [その他の文献]〔庾信‐奉和永豊殿下言志詩〕

こ‐がくれ【小隠】

  1. 〘 名詞 〙 ( 「こ」は接頭語 )
  2. 少しのあいだ隠れていること。
    1. [初出の実例]「忙がしい身の上だから奥州へ小隠れをして居た所が」(出典:塩原多助一代記(1885)〈三遊亭円朝〉一五)
  3. 歌舞伎脚本で用いる語。観客の見える所で演技していた役者が、舞台上から姿を消すこと。舞台のかげにひっこむこと。
    1. [初出の実例]「池の中より池淵兵内出る。鷲尾三郎是にて小隠れする」(出典:歌舞伎・御摂勧進帳(1773)三立)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

普及版 字通 「小隠」の読み・字形・画数・意味

【小隠】しよういん

小隠居。

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