山山(読み)ヤマヤマ

デジタル大辞泉 「山山」の意味・読み・例文・類語

やま‐やま【山山】

[名]あちらこちらの山。多くの山。「山山にこだまする」「甲斐山山を歩く」
[副]
たくさんあるさま。山ほど。「言いたいことは山山ある」
実際はできないが、ぜひそうしたいと思うさま。「行きたいのは山山だが都合がつかない」
多く見積もってもその程度であるさま。せいぜい。「用意できるのは一日1000個が山山だ」
[類語]山岳高山小山山並み連山連峰山脈山塊山系山地・山岳地帯・名山秀峰高峰最高峰高嶺大山巨峰主峰霊山霊峰2万万ばんばん望むらくは望ましい願わしい思わしい良い好ましい好もしい申し分ない程良い好個絶好最適

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精選版 日本国語大辞典 「山山」の意味・読み・例文・類語

やま‐やま【山山】

  1. [ 1 ] 〘 名詞 〙
    1. あちらこちらの山。諸方の山。多くの山。
      1. [初出の実例]「皇神等の敷き坐す山々の口より、さくなだりに下したまふ水を」(出典:延喜式(927)祝詞)
      2. 「やまやまくにぐにたづねもとむといへど」(出典:とりかへばや物語(12C後)下)
    2. ( 平安時代、天台・真言・修験道など、山岳仏教宗派が、その寺院山中に構えたところから ) 山岳仏教の多くの寺々。
      1. [初出の実例]「おほくの御いのり、やまやま寺々つくして、かぎりにおぼし入たるに」(出典:とりかへばや物語(12C後)下)
    3. ( 形動 ) 多いこと。たくさんあること。あるいは、程度のはなはだしいこと。この上ないこと。また、そのさま。多く、熱望するが実際にはそうできない時にいう。
      1. [初出の実例]「かへすこそ名残おしさは山々田〈信章〉」(出典:俳諧・伊勢踊(1668)一)
      2. 「いひたき事も山々なれど」(出典:談義本・教訓続下手談義(1753)四)
  2. [ 2 ] 〘 副詞 〙 多く見積もっても限度であるさまにいう。せいぜい。たかだか。
    1. [初出の実例]「元の麽(ちい)さきもの納豆売、山々(ヤマヤマ)五六銭の買出しなり」(出典最暗黒之東京(1893)〈松原岩五郎〉一〇)

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デジタル大辞泉プラス 「山山」の解説

山山

松原俊太郎による戯曲。2018年6月、劇団地点により、神奈川芸術劇場にて初演。2019年、第63回岸田国士戯曲賞受賞。

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