岩おこし(読み)いわおこし

日本大百科全書(ニッポニカ) 「岩おこし」の意味・わかりやすい解説

岩おこし
いわおこし

糯米(もちごめ)を飴(あめ)で固めた菓子で、大阪名物。かちんと歯ごたえのある感覚から岩おこしの名がついた。創製は1752年(宝暦2)、道頓堀(どうとんぼり)二ツ井戸の「津の清(つのせい)」から売り出された。『守貞漫稿(もりさだまんこう)』には、「岩起売(いわおこしめ)、岩は剛堅をいうなり。大坂道頓堀西に津の国屋清兵衛もっぱらこれを製し、売りて今世名物となり、各月毎日所用の黒糖大約(おおよそ)二、三百斤、黒糖を用うることほぼ海内一とす」とある。原料は、アワ粒のようにひいた糯米、水飴(みずあめ)、黒糖だが、当初は粟(あわ)を用いた。

[沢 史生

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

デジタル大辞泉プラス 「岩おこし」の解説

岩おこし

大阪の名物菓子。米を原料にした板状のおこし。同じ原料で作られる「粟おこし」に比べて細かな挽き割り米を使っているため、隙間なく硬い食感。

出典 小学館デジタル大辞泉プラスについて 情報

今日のキーワード

五節舞

日本の上代芸能の一つ。宮廷で舞われる女舞。大歌 (おおうた) の一つの五節歌曲を伴奏に舞われる。天武天皇が神女の歌舞をみて作ったと伝えられるが,元来は農耕に関係する田舞に発するといわれる。五節の意味は...

五節舞の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android