(読み)ガケ

デジタル大辞泉 「崖」の意味・読み・例文・類語

がけ【崖/×厓】

山腹川岸海岸などの、険しく切り立った所。きりぎし。
[類語]断崖絶壁懸崖崖っぷち絶崖そば岩壁氷壁岩場

がい【崖】[漢字項目]

常用漢字] [音]ガイ(漢) [訓]がけ
切り立ったがけ。「懸崖絶崖断崖
[補説]「崕」は異体字

まま【崖】

急な傾斜地。がけ。また、堤のくずれた所などもいう。
足柄あしがりの―の小菅こすげの菅枕あぜか巻かさむ児ろせ手枕たまくら」〈・三三六九〉

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精選版 日本国語大辞典 「崖」の意味・読み・例文・類語

がけ【崖】

  1. 〘 名詞 〙 山や岸などが険しくそばだっている所。きりぎし。
    1. [初出の実例]「せばき道の片かたはがけにて、海みおろさるれば」(出典:春のみやまぢ(1280)一一月一八日)
    2. 「こちはかけじゃ、いや、こちはいばらぐろじゃ、いたひほどに、じんじゃうに、まん中ではたさう」(出典:虎明本狂言・文山立(室町末‐近世初))

崖の語誌

「かけじ」「かけみち」などの「かけ」が一語化したものであろう。「日葡辞書」にも「Caqe(カケ)」とあり、古くは「かけ」で、近世以降「がけ」と濁音となったと思われる。


まま【崖】

  1. 〘 名詞 〙 急な傾斜地。崖(がけ)。また、畦畔(けいはん)の大きいもの、堤のくずれた所、水辺窪地などをもいう。あず。
    1. [初出の実例]「足柄(あしがり)の麻万(ママ)小菅の菅枕阿故(あぜ)か巻かさむ児ろせ手枕(たまくら)」(出典万葉集(8C後)一四・三三六九)

ほき【崖】

  1. 〘 名詞 〙 山腹の険しい所。がけ。
    1. [初出の実例]「危うさに人目ぞつねによがれける岩の角踏むほきのかけ道」(出典:山家集(12C後)下)

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「崖」の意味・わかりやすい解説


がい
scarp

地表高度が急変する部分の急斜面。高度変化が内的営力によって生じる場合には,断層運動の結果直接つくられる断層崖,撓曲運動によってつくられる撓曲崖 (たわみ崖) などがある。外的営力によるものは,おもに浸食崖で,断層線両側岩石硬軟による差別浸食でつくられる断層線崖,氷食作用による氷食崖,海食作用による海食崖,河食作用による河食崖などがある。段丘崖は海食崖または河食崖に相当。溶岩流末端に生じる崖もある。

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世界大百科事典(旧版)内のの言及

【フェリーニ】より

…戦争直後にロッセリーニと出会い,彼のスタッフの一人となって,〈ネオレアリズモ〉の重要な一翼を担うこととなった。 《道》の国際的成功によってイタリア映画の〈新しい天才〉とうたわれたフェリーニは,典型的なイタリア人でその思想は地中海文明と西欧文化の洗礼を受けた〈社会的カトリック主義者〉とみなされていたが,《道》とともに〈孤独の三部作〉といわれる《崖》(1955)と《カビリアの夜》(1957)のあと,その題名がヨーロッパで退廃と享楽生活をあらわすことばとして流行した《甘い生活》(1960)が公開されたときは,商業化した宗教を揶揄(やゆ)されたと解釈した教皇庁が〈反キリスト映画〉であると非難し,性的腐敗と精神的貧困を弾劾されたと解釈した上流階級と協力して,組織的で暴力的な上映反対運動を起こしたという。《カサノバ》(1975),《オーケストラ・リハーサル》(1979)などは〈自己満足〉を指摘されたりもしたが,1984年につくった《船が行く》は,現代を風刺する寓話を題材にして虚構の空想的世界をつくりあげるフェリーニの手法を集大成した作品であり,《道》の詩情,《甘い生活》の精緻(せいち)さ,《フェリーニのアマルコルド》の魅力,《オーケストラ・リハーサル》のシュルレアリスム的なユーモアを兼ねそなえた傑作との声が高い。…

※「崖」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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