精選版 日本国語大辞典 「川御座船」の意味・読み・例文・類語 かわ‐ござぶねかは‥【川御座船】 〘 名詞 〙 河川用の屋形船。江戸時代は、多く幕府や諸侯が使用したものをいう。喫水は浅いが、大船は長さ一〇〇尺(約三〇メートル)ちかく、屋形は二階造りで華麗をきわめ、大坂にあった将軍用の紀伊国丸は、屋形全体に絵画彫刻による装飾があり、檜皮葺(ひわだぶき)の屋根に鯱(しゃちほこ)をつけていた。また、船遊び用の町御座船。川御座。[初出の実例]「凡早船は櫓を以定、川御座船は櫂を以究申候」(出典:川船法規矩(1751)) 出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例
ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「川御座船」の意味・わかりやすい解説 川御座船かわござぶね 航海用の海御座船に対して,河川のみで使用する近世大名のお召し船。江戸時代では,幕府と中国・西国筋の諸大名が大坂に配備したものが代表的で,参勤交代のときや朝鮮使節,琉球使節の江戸参府のおり,淀川の上り下りに使用された。また大名が国元の河川で海御座船までの航行に使うものもあった。一般に喫水の浅い川船に,2階造りの豪華な屋形を設け,船体ともに朱塗りとした優美な屋形船で,特に幕府の『紀伊国丸』や『土佐丸』は,大型のうえに絢爛豪華な装飾もあって,川御座船の典型とされた。 出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報