左褄(読み)ヒダリヅマ

デジタル大辞泉 「左褄」の意味・読み・例文・類語

ひだり‐づま【左×褄】

着物左身頃みごろの褄。
芸者異称。→左褄を取る
[類語]芸者芸妓芸子綺麗所名妓美妓傾城けいせい傾国半玉花魁おいらん

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精選版 日本国語大辞典 「左褄」の意味・読み・例文・類語

ひだり‐づま【左褄】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 着物の左の方の褄(つま)
    1. [初出の実例]「左づまにしゃんとつかみあげ、大事の所の見ゆるもかまはず、くんくゎつなるとりなり」(出典:俳諧・花見車(1702)二)
  3. ( 近世後期、左手で褄を取って歩くところから ) 芸者のこと。
    1. [初出の実例]「左り褄のちょこちょこ歩行(あゆみ)」(出典:滑稽本八笑人(1820‐49)三)

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世界大百科事典(旧版)内の左褄の言及

【芸者】より

…出先(料理屋,待合など)からの招請は検番を通す例が多く,その場合は代金の清算も検番が行う。芸者の別称ともなった〈左褄(ひだりづま)〉は,着物をはしょらずに着るために戸外を歩くときは左手で褄をとる所作に基づくが,裾を引いた〈出〉の衣装を着て約束(予約)の席へおもむく習慣がすたれるとともに,左褄を見ることはまれとなった。【原島 陽一】
[中国の妓女]
 中国では芸者のことを妓女(ぎじよ)という。…

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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」