市原[市]【いちはら】
千葉県中部の市。1963年市制。養老川流域の低地,下総(しもうさ)台地,東京湾岸の埋立地からなり,県内最大の広さの広域都市である。古代上総(かずさ)文化の一中心で国府,国分寺が置かれた。港町の八幡(やわた),木更津街道の宿場町五井と姉崎,内陸の牛久(旧南総町)に市街が発達,圏央道,内房線,小湊鉄道が通じる。内陸部は農業地帯で,モモ,ナシ,種無しスイカを多産。東京湾岸は昭和30年代から埋立が進み,京葉工業地域の中核をなす電力,電機などの重工業や石油コンビナート,最近は精密機器工業が立地,製造品出荷額で県の29%を占める3兆1788億円(2003)を上げ,県内1位の工業都市である。背後には1960年代以降造成された大住宅団地がある。都心から近く,四季を通じて人気の高い養老渓谷,多くのゴルフ場群などが,多くの観光客を集めている。東日本大震災で,市内において被害が発生。368.17km2。28万416人(2010)。
→関連項目姉崎[発電所]|五井|長柄[町]
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いちはら【市原[市]】
千葉県中部,東京湾に面する工業都市。人口27万7061(1995)。1963年市原,五井,姉崎,市津,三和の5町が合体して市制。67年1町1村を編入して,市原郡全体が市原市となり,県内一広い面積となった。近世には海岸沿いを通る木更津街道の宿場町として市原,五井,姉崎が栄え,養老川流域をさかのぼる勝浦街道の馬継場として牛久が栄えた。大正末から昭和初めに流域を貫く小湊鉄道が国鉄房総線(現,JR内房線)の五井から開通すると,五井が中心市街となった。
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