帰巣本能(読み)キソウホンノウ

デジタル大辞泉 「帰巣本能」の意味・読み・例文・類語

きそう‐ほんのう〔キサウ‐〕【帰巣本能】

動物帰巣性うち学習経験によらない生得的な部分についていう語。

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精選版 日本国語大辞典 「帰巣本能」の意味・読み・例文・類語

きそう‐ほんのうキサウ‥【帰巣本能】

  1. 〘 名詞 〙きそうせい(帰巣性)
    1. [初出の実例]「動物の帰巣本能のように、眼に見えない匂いか信号に導かれて」(出典:兎(1972)〈金井美恵子〉)

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「帰巣本能」の意味・わかりやすい解説

帰巣本能
きそうほんのう

動物にみられる帰巣性の、経験や学習によって説明できない生得的な部分をさして用いられる生物学用語。しかし、本能という用語の定義自体がもともとあいまいなうえに、動物の帰巣行動は、ミツバチなどの昆虫類も含めて、刷り込みimprintingや学習learningなどさまざまなレベルの要素的行動が複雑に組み合わされた行動型なので、帰巣本能という用語は慎重に使われるべきである。

山岸 哲]

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四字熟語を知る辞典 「帰巣本能」の解説

帰巣本能

動物が遠くから自分の巣へ帰って来る性質、または能力

[使用例] 彼の行くところは寺しかなかった。寺への一種の帰巣本能を持つ彼にはそれはまた当然ともいえるだろう[金石範*万徳幽霊奇譚|1970]

[使用例] 動物の帰巣本能のように、眼に見えない匂いか信号に導かれて、私は歩いて行った[金井美恵子*兎|1972]

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