平たい(読み)ヒラタイ

デジタル大辞泉 「平たい」の意味・読み・例文・類語

ひら‐た・い【平たい】

[形][文]ひらた・し[ク]
厚さが少なく、横に広がっている。「―・い箱」
たいらで、凹凸が少ない。「―・い顔」
円満である。また、遠慮・隔意などがなく、心安い。
「お延に対して―・い旦那様になっていた」〈漱石明暗
表現などがわかりやすい。平俗である。「―・く言う」
[派生]ひらたさ[名]
[類語](1)(2扁平平ら平べったい水平のっぺりのっぺらぼう平坦坦坦均すぬっぺりつるつるつるりすべすべずべら坊ぺしゃんこぺしゃんこぐしゃっとぐしゃりぐちゃりぐちゃぐちゃぐしゃぐしゃぺらぺら薄っぺらぺったんこぺたんこ潰す押し潰す踏み潰す叩き潰すひねり潰す/(4簡単易しい容易安易平易軽易手軽てがる手っ取り早い容易たやすやす造作ぞうさないわけない朝飯前お茶の子さいさい河童かっぱ楽勝

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精選版 日本国語大辞典 「平たい」の意味・読み・例文・類語

ひら‐た・い【平】

  1. 〘 形容詞口語形活用 〙
    [ 文語形 ]ひらた・し 〘 形容詞ク活用 〙
  2. 厚さが少なくて、横に広い。また、平坦で凹凸がない。たいらである。ひらったい。
    1. [初出の実例]「茶屋染のかたびらに黒の帯ひらたく、木綿たびの清きをはいて行を」(出典:浮世草子・好色三代男(1686)四)
    2. 「頭尖り鼻平坦(ヒラタ)く、唇厚く」(出典開化の入口(1873‐74)〈横河秋濤〉下)
  3. 角だたずまるみがある。柔らかい。やさしい。また、腰が低い。
    1. [初出の実例]「情婦(いろ)に離れるに依って厭ぢゃ、何と平(ヒラ)たいものか」(出典:歌舞伎・宿無団七時雨傘(1768)一)
    2. 「彼は何時の間にかお延に対して平(ヒラ)たい旦那様になってゐた」(出典:明暗(1916)〈夏目漱石〉一〇四)
  4. わかりやすい。通俗である。平易である。ひらったい。
    1. [初出の実例]「表裏を以て郡内を貪掠(むさぼりかすめ)る明衡殿。ひらたう言ばマア国賊」(出典:浄瑠璃伽羅先代萩(1785)七)
    2. 「私しの考を平たくお咄し申すと」(出典:社会百面相(1902)〈内田魯庵〉鉄道国有)
  5. 押しが強い。無遠慮である。ずぶとい。ひらたくたい。
    1. [初出の実例]「いんぎん過たるも、何とやらん、しょしんめきたり、又、あまりひらたきもわろし」(出典:評判記・吉原すずめ(1667)上)

平たいの派生語

ひらた‐さ
  1. 〘 名詞 〙

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