平均偏差(読み)へいきんへんさ(その他表記)mean deviation

精選版 日本国語大辞典 「平均偏差」の意味・読み・例文・類語

へいきん‐へんさ【平均偏差】

  1. 〘 名詞 〙 統計において、資料平均値からの散らばり具合を示す数値一つ。各資料の値と平均値との差の絶対値の平均値のこと。

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改訂新版 世界大百科事典 「平均偏差」の意味・わかりやすい解説

平均偏差 (へいきんへんさ)
mean deviation

資料の統計的処理にあたり,その分布のちらばりの程度を示す一つの特性量である。資料x1x2,……,xnの代表値をmとするとき,おのおののmからのへだたり|xim|の平均δが平均偏差である。mとしては分布の平均値,をとるのがふつうで,そのときδは,計算される。資料の分布を取り扱う場合,δは標準偏差σと類似役割を果たす。σは数学的理論適用に好都合であるが,いっぽう,δは計算が簡単であるので,しばしば実用に登場する。確率変数Xの場合にも,同様に平均偏差が定義される。X分布関数Fx),平均値をとする。このとき平均偏差δは,で与えられる。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「平均偏差」の意味・わかりやすい解説

平均偏差
へいきんへんさ

ある変量n個の値をx1,x2,……,xnとし、その相加平均とする。


このとき、

を平均偏差という。平均偏差は相加平均からのずれを表す。同様に確率変数Xに対しては
  E(|X-E(X)|)
Xの平均偏差という。

古屋 茂]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「平均偏差」の意味・わかりやすい解説

平均偏差
へいきんへんさ
mean deviation

統計上の散布度 (ばらつき) を表わす一つのインデックスで,小さいほどばらつきが少い。教育,心理統計に用いられる。これは散布度の測定を,統計数列における各項の数値 xi とその算術平均との偏差 ( xi) を求めてその絶対値の算術平均をとるときに得られる。これを式で示すと,平均偏差= となる。平均偏差は理解しやすい概念であるが,絶対値が用いられ,かつ数学的な取扱いが不便であることから標準偏差のほうが多く用いられる。

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世界大百科事典(旧版)内の平均偏差の言及

【散布度】より

…統計データのばらつきの度合を表す量のことを一般に散布度と呼び,分散,標準偏差,不偏分散,平均偏差,データの範囲などがある。もっともよく用いられるのは,分散,標準偏差である。…

【数理統計学】より

…代表値の近くに密集していることもあれば,両側に幅広く散らばっていることもある。この分散度を表すのに分散V,標準偏差σ,平均偏差などがある。それらはいずれもXiとの差,すなわち偏差Xiから求められ,が平均偏差である。…

※「平均偏差」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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