幻視(読み)げんし

精選版 日本国語大辞典 「幻視」の意味・読み・例文・類語

げん‐し【幻視】

〘名〙 実際には存在しないのに、まるで存在するかのように見えること。また、その見えたもの。視覚錯誤幻覚
金色夜叉(1897‐98)〈尾崎紅葉〉続「又幻視せるが如き其の大いなる影の冥想の間に纏綿して」

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デジタル大辞泉 「幻視」の意味・読み・例文・類語

げん‐し【幻視】

幻覚の一。実際にはないものが、あるように見えること。
[類語]幻影

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世界大百科事典 第2版 「幻視」の意味・わかりやすい解説

げんし【幻視 visual hallucination】

対象物が実際には存在しないのに物が見えること。見えるものは人や動物事物風景などであり,眼前にありありと見たり,目の中,頭の中,ときには自分の背後に見る(視野外幻視)。動物が見えるのを動物幻視,人や物が小さく見えるのを《ガリバー旅行記》にちなんでリリパット幻視(小人島幻覚)とよび,自分の姿をみるのを自己像幻視(鏡像幻視ドッペルゲンガー)と呼んでいる。幻視は一般に意識障害の際にあらわれやすく,したがって症状精神病(急性伝染病,全身疾患などの際の精神症状)や,中毒性精神病(慢性アルコール中毒,各種幻覚剤中毒など)に多くみられる。

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百科事典マイペディア 「幻視」の意味・わかりやすい解説

幻視【げんし】

幻覚一種

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普及版 字通 「幻視」の読み・字形・画数・意味

【幻視】げんし

まぼろしをみる。

字通「幻」の項目を見る

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「幻視」の意味・わかりやすい解説

幻視
げんし

幻覚

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「幻視」の意味・わかりやすい解説

幻視
げんし

幻覚」のページをご覧ください。

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世界大百科事典内の幻視の言及

【感覚遮断】より

…さらに幻覚をも生ずる。幻覚としては幻視が多いが,幻聴やからだの浮遊感や無形感などの身体幻覚もみられる。幻視は,光る点や線という単純なものから,幾何学模様や場面的な幻視までのさまざまな段階のものがみられ,移り変わる。…

【幻覚】より

…外部からの刺激を誤って知覚するときは錯覚といい,幻覚と区別している。幻覚は知覚の種類にしたがって幻聴幻視,幻触,幻臭(嗅),幻味,体感幻覚などにわけられている。 幻聴は主として人の声が多く,自分に対する悪口,批判,命令の内容で,音が聞こえることはすくない。…

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